里帰り零戦、鹿児島上空で初公開へ 観光名所を飛ぶ計画も

「星型エンジン」の“空気を切り裂く乾いた轟音”

 いよいよ日本国内での飛行展示が始まる零戦。この機体はパプアニューギニアで放棄されたものを戦後、ロシアで復元、8割を新造したものです。エンジンはオリジナルの中島飛行機製「栄二一型」と異なる米・プラットアンドホイットニー製「R-1830」を搭載していますが、大馬力星型空冷レシプロエンジン独特の“空気を切り裂く乾いた轟音”は、「栄」に非常によく似ています。

 零戦の飛行シーンは、動画や写真でも見ることはできます。しかし実際に目と耳、そして全身に伝わる空気の振動、燃焼するオイルやガソリンの臭いなどを通じて“五感で体感する”経験は、これまで日本においてはできないことでした。

 ゼロエンタープライズ・ジャパンの石塚政秀さんは、1年前のインタビューにおいて次のように語っています。

「私の願いは“飛ぶ零戦”を日本に永住させ、多くの人に零戦を知ってもらいたいのです。『飛行機』は飛んでこそ『飛行機』なのです」

 70余年前に誕生した「飛行機」である零戦を、我々が体感し、知ることができる歴史的なチャンスが、ついに到来しようとしています。

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