日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
生産終了から四半世紀近くが経過してもなお、人気の衰えることのないクラシック(BMC)「ミニ」。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか。じつは調べれば調べるほど、日本の道路事情にジャストフィットしたコンパクトカーでした。
天才設計家による革新的な小型車として誕生
静岡県浜松市にある渚園キャンプ場にて、2024年11月3日(日)に『ジャパンミニデイ in 浜名湖』が開催されました。このイベントは年1回開催されるクラシック(BMC)「ミニ」の祭典で、初開催から32回目を数える今回のイベントには、全国から3000台の「ミニ」と4500人のファンが集まりました。これは国内で開催されるワンメイクのカーミーティングとしては最大規模のイベントで、国内でナンバー登録されている約4万台のクラシック「ミニ」のうち、じつに7.5%が会場に集まった計算になります。
クラシック「ミニ」の生産が終了したのは2000年です。すなわち、もっとも新しい車体でも四半世紀近く前に生産されたものになります。今や後継モデルとしてBMW製の新型「ミニ」も数多く販売される中で、設計の古さから性能や装備はもちろんのこと、快適性や安全性も現代のクルマに劣る旧式のコンパクトカーが、なぜいまだに多くの人に愛され続けているのでしょうか。
そもそも、クラシック「ミニ」が誕生したのは今から60年以上前の1959年です。手がけたのは、天才自動車設計家として知られるアレック・イシゴニス。彼の設計が画期的だったのは、直列4気筒エンジンを横置きし、その下にギアボックスを配した“2階建て”構造にしてFWD(前輪駆動)レイアウトを採用した点でしょう。こうすることで、全長わずか3m弱の小さなクルマでありながら、大人4人が乗れる車内空間を確保したのです。
さらに、従来のクルマでは主流だったフレームシャシーの代わりにモノコックボディを採り入れ、金属バネの代わりに「ラバーコーン」と呼ばれる円錐状のゴムバネを用いたサスペンションにすることで、これらも車内容積の確保に貢献しています。しかも、スペース効率の高さだけでなく、構造のシンプルさと優れた走行性能、高い操縦安定性などの実現にもつながりました。
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