首都圏に存在する「超短距離の高速バス路線」とは TDRへのウンザリ乗換よりコッチだわ!車両は2階建て
新宿駅から東京ディズニーリゾートへのアクセスに便利な高速バスがあります。しかも使用されるのはダブルデッカー(二階建て)バス。東京駅での長~い乗り換えもなく、アトラクション気分で乗車できる路線の使い勝手をチェックしました。
副都心と東京ディズニーリゾートを直結
東京ディズニーリゾート(TDR)へのアクセスには、JR京葉線の舞浜駅を利用するのが一般的です。しかし、利用者が多いので乗車中、満員で立ちっぱなしになる可能性があり、「インパ」する(入園する)前からくたくたになってしまいます。もし新宿駅を経由して東京ディズニーリゾートへ向かうなら、高速バスの利用がおすすめです。
ジェイアールバス関東と京成バスが運行する新宿~TDR線はその名の通り、バスタ新宿から東京ディズニーシーと東京ディズニーランドを結びます。運行距離は約30kmにも満たない27.9kmで、かなりの短距離路線です。
途中ノンストップで、所要時間は便によって異なり50~60分。バスタ新宿からは7時発が初便で、9時の開園時間前に到着したい人が利用できるダイヤとなっています。
9時台までは1時間に3本が設定されるほか、10時台、11時台にも1本ずつが運行され、ゆっくりと入園したい人に向けたダイヤが組まれているのも特徴です。
運賃は全区間共通で片道1000円。新宿~舞浜間のJRの運賃(406円/IC運賃)と比較すると2倍以上高額ですが、確実に座って現地まで向かえるため、体力を温存するにはもってこいといえるでしょう。乗り心地や、どんな人たちに利用されているのかをチェックするため、実際に乗車してみました。
取材したのは2024年11月下旬の土曜日。8時30分過ぎにバスタ新宿へやってくると、構内には人だかりができていました。待合室の座席は空いているところを見つけるほうが難しく、併設されているコンビニ「デイリーヤマザキ」も身動きをとれないほどの混みようでした。
TDR線は、待合室からバス駐車場を挟んでちょうど反対側のD12番乗り場から発車します。ジェイアールバス関東が担当する8時50分発のバスが入線してきましたが、やってきたのは「GranDream」のロゴがラッピングされているダブルデッカー(2階建て)タイプのスカニア製バス「アストロメガ(J-InterCity DD)」でした。
鉄道では特急用の車両を有料の通勤ライナーなどに使用する「間合い運用」がありますが、それと同様に、この車両も夜行バス「グランドリーム号」や昼行バス「グラン昼特急号」で使用されるかたわら、TDR線にも投入されているというわけです。
その後、9時10分発の便に乗車することにして、バスタ新宿の有人発券窓口で、座席が指定される乗車券を購入。自動券売機も利用できますが、交通系ICカードが使えない点は注意が必要です。
改めて乗り場に戻ると9時10分発の便がすでに待機しており、こちらもジェイアールバス関東のアストロメガでした。ただし、「GranDream」のロゴは施されておらず、車内には1階、2階ともに4列シートが並びます。こちらはお手頃価格で乗車できる夜行バス「青春エコドリーム号」や昼行バス「青春昼特急号」で使用されるタイプでした。
じつはジェイアールバス関東のアストロメガのデビュー路線は、夜行路線ではなく、このTDR線でした。輸入車であるため、まずは短距離路線で性能を見極めてから、長距離路線でも使用されるようになったのです。現在のところ、アストロメガはジェイアールバス関東が運行する便の一部で使用が続けられています。
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