首都圏に存在する「超短距離の高速バス路線」とは TDRへのウンザリ乗換よりコッチだわ!車両は2階建て

新宿駅から東京ディズニーリゾートへのアクセスに便利な高速バスがあります。しかも使用されるのはダブルデッカー(二階建て)バス。東京駅での長~い乗り換えもなく、アトラクション気分で乗車できる路線の使い勝手をチェックしました。

利用者は「乗り換えが面倒なのでバスで来た」

 筆者は2階席の後方に座りました。1階席に利用者はなかったようです。2階席の乗客は若いカップルや男性4人組、お母さんと小さな男の子といった親子連れだけでなく、インバウンド観光客の姿も。最前席にはディズニーグッズで身を固め、キャラクターのぬいぐるみを窓の前に置いた熱心なファンが陣取っていました。

 発車直前には婦人4人連れが乗車し、70%以上の乗車率となった模様。あまり乗車していない様子だった1本前の8時50分発とは対照的でしたが、取材当日だけの事象のようで、運転手さんも「(平日・土休日の違いがあるとはいえ)どういうわけか同じ時間に出発する便でも日によって混雑具合が異なります」とのこと。乗車したい便があれば、少し早めにバスタ新宿に着いて乗車券を求めるのがいいかもしれません。

 バスタ新宿を出発したバスは、新宿入口から首都高速4号新宿線に入り、進路を東へ向けます。やがて左手にはJR中央線が並走し、右手には国立競技場が姿を現しました。三宅坂JCTから首都高速都心環状線に入ると、しばらくして左手には麻布台ヒルズ、そして東京タワーが見えてきます。ダブルデッカーの高い視点から東京都心の名所を見渡せるのはとても気持ちいいものです。

 バスは東京湾が見える浜崎橋JCTを通過。このあとは首都高速11号台場線に入り、レインボーブリッジを渡ります。車窓には晴海フラッグや東京スカイツリーも見えて、東京観光をすっかり楽しむことができました。

 首都高速湾岸線葛西出口で降りると渋滞に突入しましたが、ほどなく脱出。道路沿いにはヤシの木が植栽され、リゾートにやってきたように気分が高まります。そして最初の目的地・東京ディズニーシーに到着しました。ここで半分ほどの乗客が下車し、さらに5分ほど走行して終点の東京ディズニーランドにほぼ定刻通り到着。乗客はみな一様にワクワクした表情で入場口へと向かっていったのでした。

 乗車していた若い男性4人組は「電車で行けば早く着くけど、乗り換えが面倒なのでバスにした」とバスを選んだ理由を話しました。筆者も同感で、動く歩道が設置されるほど長い東京駅の京葉線ホームに至る連絡通路を歩くよりは、バスで快適に移動したほうが、入園したあとも楽しめるのではと感じます。

 なお、東京ディズニーシー・東京ディズニーランドからの帰りに利用できる便は16時台から設定されており、20時台、21時台は3本ずつ運行されます。帰りの便は自由席なので早めに乗り場に並ぶ必要がありますが、ゆったりと座って、楽しかった1日を振り返りながら帰ることができるでしょう。

【画像】短すぎ!これが「超短距離の高速バス路線」の運行ルートと時刻です

Writer:

レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。

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