「関越‐東名」がたった12分! 工事難航の「外環道」どこまで進んだ? 一部ICは大きく遅れ?
東名高速と関越道を結ぶ外環道は、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。
地中深くに直径16mのトンネル
東名高速と関越道を結ぶ外環道は、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。
外環道(東京外かく環状道路)は、東京の都心から約15kmの圏域をぐるりと結ぶ延長約85kmの道路です。放射状に延びる高速道路と相互に連絡し、都心に用のないクルマを迂回させます。
これまでに東京都練馬区の大泉JCTから、千葉県市川市の高谷JCTまでの約50kmが開通しており、首都高の各路線をはじめ、関越道・東北道・常磐道・京葉道路・東関東道とつながっています。
大泉JCT以南の「関越~東名」区間16kmは、建設工事が続いています。基本的に地下40mより深い「大深度地下」に、片道3車線・直径約15.8mの本線トンネルを2本掘ります。途中には、目白通りIC、青梅街道IC、東八道路IC、中央JCT、東名JCTが設置される計画です。なお、IC・JCTはいずれも仮称で、名前は接続する道路名が採用されています。
本線トンネルは、シールドマシン4基で南北両方から掘り進めていましたが、2020年10月、調布市内で陥没事故が発生し掘進がストップ。このうち北側の2基は2022年2月に掘進を再開し、2024年11月末時点で3.6kmと3.3km地点まで、地上だと西武新宿線の上石神井駅付近まで掘り進めています。
しかし一方で、4.4kmと3.5km地点まで掘り進めていた南側の2基は、調布市内の陥没箇所の下で停止したままです。現場では、地盤補修や補償などの対応に優先的に取り組んでいます。
このほか中央JCTで2基、東名JCTで2基のシールドマシンが、それぞれ本線トンネルと中央道や東名をつなぐランプ(車路)のトンネルを掘り進んでいます。
このランプ(車路)を造るIC・JCTは、地上と出入りするため用地を取得する必要があります。2024年11月末時点で、取得率は面積・件数ベース両方とも93%です。ただ、内訳を見ると、軒並み97~99%の中で、青梅街道ICだけが面積48%・件数60%と大きく落ち込んでいます。
また、埋蔵文化財調査も、ほかは98~100%とほぼ完了しているのに対し、青梅街道IC付近は0%でまったく手付かずの状況です。
先に関越・中央・東名の接続を優先して開通させ、青梅街道ICはあとから遅れて開設されることになるかもしれません。
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