中央道 高井戸ICの「下り入口」建設へ 断念から半世紀 ついに転機到来

中央道の起点でありながら不完全な形態だった「高井戸IC」に、ついに下り線の入口ができそうです。杉並区が建設支援を初めて表明しました。住民の反対により頓挫していた計画は、なぜ変わったのでしょうか。

なぜ入口がない?高井戸IC

 中央道の起点ICとされている高井戸ICは、上り線(都心方面)の出口のみがあり、下り線(名古屋方面)の入口はありません。同ICの開業から46年、ついに、この不便な状況が解消される可能性が高まってきました。

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放射5号線、首都高の高井戸出口付近。中央道下り線の高井戸IC入口はない旨が案内されている(乗りものニュース編集部撮影)。

 東京都杉並区「広報すぎなみ」の2022年6月号では、高井戸ICの「オンランプ(入口)開設支援」についての詳細が公表されています。区は2022年度からの「基本構想」の実行計画に、高井戸IC入口の整備支援を盛り込んでいます。

 現状、高井戸ICの下り線入口がないために、付近の利用者は首都高の永福入口から追加料金を払って中央道に入るか、調布ICまで迂回しなければならない状況が続いています。この状況が解消され利便性が向上するだけでなく、災害時や事故発生時における緊急輸送路としての役割もうたわれています。

 これまで高井戸ICの入口がなかったのは、周辺住民の反対によるものです。杉並区の都市整備部によると、昭和40年代に都市計画も策定されているものの、交通量の増加に伴う環境悪化や、沿道にある富士見丘小学校の児童に与える影響から、着工に至らなかったといいます。

 しかし現在、その小学校は移転が決まっているほか、2019年には中央道の下から東八道路へ通じる放射5号線も開通するなど、周辺の状況は大きく変わっています。騒音や排気ガスなどの影響も以前より少なくなっていることから、区として初めて、入口の建設支援を具体化することになったそうです。

「近くにお住まいの方からは、(下り入口を整備すると)クルマが集中してしまうとの反対の声があるのも事実です。しかし区民のアンケート調査でも、7~8割の方が、入口が必要だと答えています」(杉並区 都市整備部管理課)

 今後はNEXCO中日本とともに入口開設までのロードマップを策定するとのこと。入口の位置については、都市計画どおりになるかは確定ではないものの、環八中の橋交差点(中央道が環八通りをまたぐ交差点)の西側、中央道の高架が放射5号線から離れるまでの区間で詰めていくといいます。

【了】

※誤字を修正しました(6月4日9時30分)。

【新設が検討される高井戸ICの「下り入口」の位置】

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1件のコメント

  1. 反対派は公共の利益の為に粛清するべき