護衛艦の居住区「個室化」「ネット使える」は急務!? 安全保障に直結するこれだけの理由 「任務から戻ったら浮気されてて…」
防衛省が公開した予算案で、護衛艦の寝室をカプセルベッド化すると明記しました。この装備、実は“世界初”かもしれません。なぜこのような改善に踏み切ったのでしょうか。
世界初? カーテン仕切りのみから一挙に進化!
防衛省は令和7(2025)年度予算案で、「若い世代のライフスタイルに合った生活・勤務環境の構築」を主要施策の一つと位置づけており、その一環として海上自衛隊の艦艇の居住性を向上させるための経費を盛り込んでいます。
これまでの海上自衛隊の乗組員用寝台は、2段ベッドが基本で、通路との仕切りはカーテンのみ、寝台には読書灯しかありませんでした。
しかし令和7年度予算案に建造費が計上されている「令和6年度護衛艦」からは、居住区の構造を大幅に改め、カプセルホテルと同じカプセルベッドを採用する計画となっています。
カプセルベッドは2段式ではあるものの、よりプライベート空間の確保に配慮されています。また防衛省が公開したイメージイラストを見ると、壁ができたことによって、側面には折り畳み式の簡易テーブルなども付くようです。
カプセルベッドはフランスのシュフラン級攻撃型原子力潜水艦への採用は確認されていますが、筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)が知る限りにおいて、水上戦闘艦への採用は、おそらく令和6年度護衛艦が世界初なのではないかと思います。
防衛省が海上自衛隊艦艇の居住環境の改善に本腰を入れてとり組んでいこうとする背景には、艦艇乗組員の慢性的な充足率不足の解消と、少子化による隊員の募集難によって、充足率不足にさらに拍車がかかることを防ぎたいという狙いがあります。
防衛省の公式Webサイトには、2024年3月31日付の数字として海上自衛隊の定員充足率は93.3%と記載されています。93.3%という充足率は陸上自衛隊(89.2%)や航空自衛隊(91.6%)よりは高いのですが、実は航空機乗員や地上で勤務する隊員も含めた数字で、艦艇の乗員数の充足率はこれよりもかなり低い数字です。
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