F-35を発注するな!?「産業を刺激する戦闘機を作らせろ!」労働組合が国に強く要請 イギリス
F-35では国内の製造ラインの維持に問題?
「テンペスト」製造開始まで雇用が持たない?
イギリスの労働組合であるユナイトが、雇用維持のために、自国で製造できる戦闘機のユーロファイター「タイフーン」を追加調達するよう、与党である労働党に要請したことが2025年1月21日、イギリスメディアで報じられました。
ユナイトは、ユニゾンと並ぶイギリスの2大労組とされています。
イギリス空軍は、現在海軍も使用している短距離離陸垂直着陸(STOVL)タイプのF-35Bを運用していますが、これに加えて通常離着陸タイプのF-35Aを24機購入することも検討しています。この件に関してユナイトは、同数のユーロファイターを購入するべきと主張しています。
F-35はステルス機能を有する第5世代ジェット戦闘機に分類されますが、ユーロファイターはそれより古い4.5世代型とされています。ただ、同機を共同開発したドイツ、イタリア、スペインでは依然として同機を重視しており、古いバージョンの機体を置き換えるためにアップデートや追加機体の製造を行っていますが、イギリスでは現状その動きはありません。
イギリスでユーロファイターの製造などを担当しているBAEシステムズは、F-35の製造にも関わっていますが、同機はアメリカのロッキード・マーチンが製造を主導しており、雇用的な部分を考えるとユーロファイターの方が、人員を多く雇用できます。
イギリスでは、カタール向けの機体を2025年中に納入した後は、同機の生産計画がないようです。日本やイタリアなどと共同開発している「テンペスト」ことグローバル戦闘航空プログラム (GCAP)の機体製造は2030年代になると見込まれており、このまま戦闘機の生産が滞った場合、GCAP機体の製造に関わる雇用や技術が失われる可能性もあるとユナイトは指摘しているようです。
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