三菱車の燃費、なぜ悪かった? 責任を取った日産

「美談」という表現は不適切 新規参入困難な軽自動車

 ただ、これが決定的な性能差かといえば、それほどのものではありません。問題はなんといっても「ユーザーをだました」という企業倫理にあります。

 三菱「eK」シリーズおよび兄弟車の日産「デイズ」シリーズは、三菱自と日産の合弁会社であるNMKVが開発したもので、日産側もこれを「三菱と日産の共同開発車である」としていました。

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三菱自と日産の合弁会社NMKVが開発した日産「デイズ」(画像出典:日産自動車)。

 実は軽自動車は、ノウハウのないメーカーに開発できるものではありません。そこでは究極の箱庭的な開発競争が絶え間なく行われており、新規開発参入はほぼ不可能なのです。

 つまり「共同開発」とは名ばかりで、「実際に開発したのは我々です」と、三菱自のエンジニアは語っていました。日産は開発資金と人材を出し、援助しただけです。

 とはいっても、一応「共同開発」のクルマですから、燃費表示に不正があったなら、日産側にも責任はあるはず。今回の件について日産は被害者とされており、被害者が加害者を救ったという「美談」にすらなっていますが、日産が三菱自を丸ごと傘下に収めることにしたのは、「最善の責任の取り方」といったほうがいいでしょう。

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コメント

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2件のコメント

  1. 台数も少ないし他社のに乗ったことないし、当たり外れもあるから断言出来ないけど、
    今までずっと日産車に乗ってきてその間 常にカタログ燃費に近い数字が出ていた。
    今の車 -0.5㎞/㍑くらい
    此の会社 そこはシビアなのかな?
    でも軽の供給受けたときに見抜けなかったのかな?証拠が揃うまで言えなかったんだろうか。
    しかし三菱も随分舐めたことしますね。
    日産に 軽の供給始めたのに プロを相手に隠し通せると思っていたんですかね?
    部外者だからこんな感想しかないけど。

  2. ゴーンは当面の間スリーダイヤをなくさないような事を言っているが最終的に継続困難になったら吸収以外あるまい。
    プリンスの吸収や新日国車体や民生ディーゼルを傘下に収めたのとは根本的な違いがある。
    企業文化の違いもだが作る側・売る側・買う側の考えが違いすぎる。作る側はともかく買う側(ユーザー)の双方の反発は強いように感じられる。