自衛隊の帽子に付いた「カレーライス」とは? 最近ディテールの変更も「マンガ描く人必見です!」
海上自衛隊の隠語のひとつに「制帽のカレーライス」というものがあります。知らないと、帽子にカレーを飛ばして付けちゃったのかと思うかもしれませんが、じつはある階級以上にある人を指す言葉だとか。どのような意味なのでしょうか。
先ごろ錨のデザインも変更に
この帽子、実は曹士と幹部とではあしらいも違うのです。例えば帽子の正面に付けられる帽章は、幹部用は鮮やかな金の刺繍で桜の葉と蕾がぎっしりとあしらわれているのに対し、曹士用は落ち着いた金の色合いに桜の葉と蕾(つぼみ)がやや控えめにあしらわれています。帽章自体の大きさも一回り違い、中央に配置されている桜花も微妙に違います(漫画参照)。
デザイナー目線になってしまいますが、どちらも色や余白のバランスが優れているのに、一目で階級の違いがはっきりとわかるすばらしいデザインとなっています。豪華な幹部仕様の帽章にカレーライスが加われば、高貴な佇まいに一層拍車がかかりますね。私もイベントの時についつい探しては、惚れ惚れと眺めています。
ちなみに、2020年には帽章のデザインが変更となり、錨が無かん錨(むかんびょう)から有かん錨(ゆうかんびょう)になりました(海上自衛隊呉地方総監部公式Xより)。詳しくは漫画内の写真をご覧ください。漫画3コマ目の写真は海上自衛官で夫のやこさんの私物ですが、幹部用は結婚式の時のものなので旧式のデザインとなっています。官品と私物とではデザインが若干違うことはご了承ください。
カレーライスに帽章のこだわり……。顔の近くにあるのでなんとなくじっくり眺めることがない帽子の違い、機会があればぜひお近くの海上自衛官に見せてもらってください。歪み一つない職人のこだわりと、つける人のプライドを垣間見ることができます。
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。
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