千葉-和歌山“1478kmの路線”に組み込まれた「鉄道廃線」とは かつて「日本一」だった鉄道
千葉から和歌山までの海沿いを行く「太平洋自転車道」。その静岡県内の一部に、駅名標などが点在しています。実は、かつて「日本一」だった鉄道の廃線跡が、この壮大な構想に組み込まれています。
静岡の自転車道で見かける「駅名標」
静岡県西部の太平洋岸をゆく国道150号を走っていると、「←太平洋自転車道」という案内看板を見かけます。その看板が示すほうへ向かうと、国道に沿って細い自転車道があるのですが、ちょっと不思議なものも。「駅名標」(を模した看板)が点在しているのです。
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太平洋自転車道とは、国が指定した「ナショナルサイクルルート」の一つなのですが、その構想はとにかく壮大です。「千葉県銚子市から神奈川県、静岡県、愛知県、三重県の各太平洋岸沿いを走り、和歌山県和歌山市に至る延長1,487kmの自転車道」と説明されています。
そんな自転車道になぜ「駅名標」が点在しているかといえば、静岡県の太平洋自転車道の一部は、鉄道の廃線跡を活用したものだからです。
その鉄道は、かつて静岡鉄道が運営した「駿遠(すんえん)線」です。現在の藤枝市から、牧之原市、御前崎市を通り、袋井市までを結び、東海道本線と新藤枝駅、新袋井駅で接続。東海道本線とは東海道本線に対して海側へ大回りするような路線でした。
戦前に開業した藤枝からの藤相鉄道(藤相線)、袋井からの中遠鉄道(中遠線)が戦時統合によって静岡鉄道となり、1948年、両路線をつないで1本として「駿遠線」が成立。延長は64.6kmとなり、軌間762mmの軽便鉄道としては日本最長となりました。しかし、1970年に全線が廃止されています。
このうち、牧之原市内では国道150号に並走して駿遠線(藤相線)の廃線跡が「静岡御前崎自転車道」に転用されていて、これが太平洋自転車道の一部に組み込まれています。
自転車道に沿ってホームの跡があったり、前出した駅名標を模した看板があったりするほか、レンガ積みの「小堤山トンネル」も自転車でくぐることが可能。御前崎市(旧浜岡町)から袋井にかけての中遠線区間も遊歩道となっていて駅跡が残るところもあり、鉄道の時代をしのぶことができます。
1478kmと1487kmが混在していますね…
数字表記の混在は記事全体の正確性に疑問符がつきそうです…