「バース・掛布・岡田」ウェイポイント廃止なぜ? 航空界の“関西名物”が3月消失…その経緯

神戸空港では、新飛行経路の採用にともなって、阪神タイガースの選手の名称にちなんだ航空路上の経由点「ウェイポイント」が廃止されます。どういった理由からなのでしょうか。

“阪神ウェイポイント”がなくなった背景

 従来の航法方式は「ILS(計器着陸装置)」や「VOR(超短波全方向式無線標識施設)」といった地上から電波を発する航法無線局からの電波に依存しているため、無線局の場所やそこから発射されている電波の方向に沿ってウェイポイントを設定する必要がありました。

 しかし近年、GPSなどの衛星を利用した航法システムの精度が向上したことを背景に、「RNAV(広域航法)」とよばれる衛星系の航法システムの導入が進められています。この航法システムは地上設備に依存せず、任意の場所にウェイポイントを設定することが可能です。同システムの登場により、神戸空港でも、これまでより効率の良い飛行経路を導入できるようになりました。

 RNAVでは、各ウェイポイントにはその場所を特定する座標が緯度、経度として公表されるため、パイロットはウェイポイントの名前をオートパイロットに打ち込むだけで入力が完了するという仕組みになっています。

 ちなみに、ウェイポイントの命名法にルールはありません。文字数に制限があるのでスペルの一部が省略されるほか、既存のウェイポイントとの重複を避けるためにスペルの一部が変えられるケースはありますが、ウェイポイントの命名にはその飛行経路の設計に携わった担当者の裁量が広く認められています。

 たとえば松山空港のROBIN WEST RNAV進入路上に設定されている「ROMAN」はこの経路を設計したアメリカ海兵隊岩国基地の主任管制官(当時)だったROMAN氏の名前に由来しています。

 またアメリカにも「御当地ウェイポイント」が。たとえば、カンザスシティー空港へのアプローチ経路上には「BARBQ」「RIBBS」「BRSKT」などのウェイポイントが存在します。これはカンザス州の名物がバーベキューであることにちなんだものです。

「バース、掛布、岡田」にちなんだウェイポイントは消えますが、前述のようにRNAVの普及に伴い、地上の航法施設に依存しない場所でもウェイポイントの設定が可能になったことと、空の交通量が増えるのに伴いウェイポイントの新設は今後も続くでしょう。これから新たな「ご当地ウェイポイント」の登場も期待できるかもしれません。

【画像】これが「神戸空港の新ターミナル」全貌です

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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