なぜロシア生まれの新車、日本で買えるの!? 無骨な4WD車の知られざる理由「案外イイですよ」
ウクライナ戦争で、ロシアとウクライナの両陣営で用いられるUAZ「2206」。同車は設計が古く、快適装備も少ないですが、悪路走破性はかなりのもの。しかも今でも日本で新車購入可能な数少ない「ロシア車」です。
ウクライナ戦争のやられメカUAZ「2206」
2022年2月28日にロシアがウクライナに侵攻してから、もうすぐ丸3年が経とうとしています。この戦争によるロシア軍の犠牲は大きく、深刻な車両不足に陥っているようです。最近のロシア軍は歩兵主体の攻撃が増加しており、戦車や装甲車の代わりに民生用のバンやトラック、乗用車、オートバイ、非装甲の全地形対応車を攻撃に用いるケースが増えています。
そのようなロシア軍が使用している非装甲車両のひとつに、「ブハンカ」(ロシア語で食パンの意味)ことUAZ「2206」に代表されるワンボックスバン/トラックがあります。このクルマは1965年から基本設計を変えることなく60年近く生産が続いている長寿車です。日本では馴染みの薄いUAZ車ですが、ロシアなどの旧共産圏では軍民問わず幅広く活用されており、その生産数は侵攻前には月産4000台の規模を誇っていました。
メーカーの正式名称は「ウリヤノフスク自動車工場」といい、その頭文字を取ってUAZ(ウァズ/ワズ)と呼ばれています。そのルーツは1916年に設立された「モスクワ自動車工場」で、1941年に独ソ戦が始まるとドイツ軍の侵攻を前にして生産拠点をボルガ河流域のウリヤノフスク市に疎開させました。
戦後、工場の所在地に因んで現在の社名に改名した同工場は4WD車の専門工場へと姿を変え、1958年にはキャブオーバー型の商用車であるUAZ「450」の生産を開始。軍用だけでなく民間向けの車両も製造するようになります。
その後、UAZ「450」は「451」へと改良されたのち、1965年にはベース車両をUAZ「469」へと変更された「452」へとモデルチェンジ。さらに1985年には、現行型「2206」へとマイナーチェンジを受けました。1991年に旧ソ連が崩壊すると、UAZは民営化され、冷戦期から生産が続くモデルに改良を施したうえで現在でも継続生産されています。
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