なぜロシア生まれの新車、日本で買えるの!? 無骨な4WD車の知られざる理由「案外イイですよ」
ウクライナ戦争で、ロシアとウクライナの両陣営で用いられるUAZ「2206」。同車は設計が古く、快適装備も少ないですが、悪路走破性はかなりのもの。しかも今でも日本で新車購入可能な数少ない「ロシア車」です。
ロシア製からカザフスタン製になって現在の日本でも買える!
日本へは、2005年に東京都新宿区の「岩本モータース」が輸入代理店契約を結び日本仕様のUAZ「3909」の輸入を開始したのが端緒です。しかし、2012年に新基準の排出ガス規制にUAZ車が対応できないことから同社による輸入販売は終了。しかし、UAZ車がユーロ6規制に対応したことから東京都渋谷区の「ルパルナス」が輸入代理権を取って販売を開始したほか、愛知県名古屋市の「オートリーゼン」が並行輸入車の取り扱いを始めました。
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ただ、それから10年後の2022年に冒頭に記したように、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことから同年7月に日本政府がロシアに対して経済制裁を発動。この影響でロシア製のUAZ車は輸入がストップしています。しかし、西側の制裁回避を目的にUAZ社がカザフスタンに生産施設の一部を移したことで、現在ではカザフスタン製のUAZ「2206」として、ジープ型の「ハンター」とともに日本への輸入が再開しています。
筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)は「岩本モータース」が輸入したUAZ「3909」を3~4回ほど試乗した経験があります。
UAZ「3909」のシャシーやサスペンション、パワートレーンなどの基本メカニズムはジープ型の「ハンター」と共用しており、違いは丈夫なラダーフレームの上に架装されたボディ形状ぐらいです。両モデルを日本車で例えると、ちょうど三菱自動車の「パジェロ」と「デリカ・スターワゴン」と同じ関係といえるでしょう。
サスペンションは前後とも頑丈なリーフリジットが使われていますが、スプリングは薄いリーフを12枚重ねたものを用い、シャックル部分はゴムを用いた可動式のリンクとすることで、不整地での走破性と乗り心地の両立を実現しています。
筆者が運転したのは3リッター直列4気筒OHVエンジン搭載車(現在は排ガス規制に対応した、インジェクション化された2.7リッター直列4気筒DOHCエンジンに換装)で、ギアボックスは4速MTです。4WDシステムはパートタイム式なので、シフトレバーの横にはハイ&ローと2WD&4WDの2つのレバーを持つ副変速機が設置されていました。
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