引退フェリー、災害支援に有効 しかし難しい現実

2016年4月に発生した熊本地震。その被災者支援で、定期航路から引退した大型フェリーが力を発揮しました。海に囲まれ、災害の多い日本。寝食を提供できる大型フェリーは災害時に有効ですが、その活用はまだ進んでいないのが現状です。

日本海で活躍していたフェリーが熊本で

 いま、被災者支援におけるフェリーの有効性が改めて注目されています。

 2016年4月14日に始まった熊本地震。発生から1週間もたたない4月20日に、270人の自衛官とトラックなどの車両80台、救援物資を満載し、神戸港から熊本・八代港へ派遣された大型フェリー「はくおう」(1万7345総トン)が同地で5月末まで、1か月以上にわたり活躍しました。

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熊本地震の被災者を支援するため八代港へ派遣された大型フェリー「はくおう」(写真出典:防衛省)。

 同船がその設備で被災者向けの宿泊、供食、入浴サービスを開始したのは4月23日。それ以来、5月20日までに累計2000人を超える被災者へ「安息の場」を提供しました。乗船した被災者からは「余震の不安もありませんし、久しぶりに足を伸ばして眠れ、のんびりできました」「お風呂でリラックスできました」などの感想が寄せられているといいます。

 1995(平成7)年の阪神・淡路大震災や、2011(平成23)年の東日本大震災でも大型フェリーや客船による救援が行われましたが、これだけ迅速に被災地へ向かい、かつ長期にわたって支援を続けたケースは初めてのことです。

 実は、このたび熊本で力を発揮している「はくおう」は、かつて日本海航路で使用されていたフェリーです。「海国ニッポン」では、定期航路からリタイアするフェリーが数多く出ています。

 災害時の支援に有効で、定期航路からリタイアするものも少なくない大型フェリー。ならば、より一層それを活用して今後、「災害対策船」をさらに増強していこう、という考えは順当なところでしょう。

 しかしそれには、越えなければならないハードルがあります。

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コメント

4件のコメント

  1. 事の良し悪しはともかく昔 日本には 「優秀船舶建造助成施設」と言うものが在りました。内容は長くなるから割愛します、これ読んでるひとなら調べられるでしょ。
    検討してみる価値は有るんじゃないかな。

  2. 普段は1泊クルーズとか岸壁でレストランやってるとかで維持するんかな

  3. 老人向けの療養船にして定期クルーズを日本全国するとかどうっすか?

    認知症でも海には飛び込まないだろうし、自然と周囲のご老人同士コミュニケーションが!
    (そして、年金もあるし、クルーズできるような層から集金できて資金難も解消☆)

    有事の時は、老人ホームではないので、クルーズを切り上げて仕事に就くとかさ。
    結構いい案だと思いますよ~

  4. 貨客船にして普段は本邦沿岸のコンテナ輸送船、有事の際にはコンテナ型の仮宿泊コンパートメントを搭載して災害救助船にするのが良いかと思います。

    コンテナ型の仮宿泊施設は普段は特定の港の倉庫に保管しておいて、有事の際にクレーンで積み込めば数日で被災地近くの港に展開出来るのではないかと。