中露が最も警戒する自衛艦!?「びんご」進水で注目! 非武装だけど機密の塊「音響測定艦」とは

自衛隊のなかでもあまり情報が公開されていない、秘密のベールに包まれた装備の一種といえるのが、海上自衛隊の音響測定艦でしょう。非武装ながら、じつは潜水艦やイージス艦以上に機密の塊だとか。そのスペックや任務などに迫ります。

中露も警戒 非武装だけど侮れず

 ひびき型は、海上自衛隊初の音響測定艦として2025年現在、3隻が就役しています。1番艦「ひびき」は1991(平成3)年1月、2番艦「はりま」は翌1992(平成4)年3月に海上自衛隊へと引き渡され、この2隻態勢が長らく続いていました。

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真横から見た、ひびき型2番艦の「はりま」。後部の飛行甲板には、CH-47Jなどの大型ヘリも降りられる(画像:海上自衛隊)。

 しかし、近年、活動の拡大および活発化が著しい周辺国海軍の状況を鑑みて、29年ぶりに3番艦が調達されることになり、2021年3月に「あき」が就役しています。

 また、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す一方であることから、周辺海域の音響情報の収集体制を強化する目的でもう1隻増勢することが決定。こうして誕生したのがこのたび進水した4番艦「びんご」なのです。

 ひびき型に比肩するような高性能な音響測定艦は、他国では少なく、同じような双胴船型の音響測定艦はアメリカ海軍にも5隻しかありません。しかもアメリカ海軍は太平洋と大西洋に分けて配備しており、さらに太平洋に配備されている艦は広大な太平洋だけでなく、南シナ海やインド洋までを活動エリアとしています。

 海上自衛隊のひびき型は、基本的に日本の周辺海域のみが活動エリアです。逆にいうと、我が国周辺海域での運用がほとんどのなか、音響測定艦を3隻配備し、さらに1隻増やそうとしているので、アメリカと比べると運用密度はかなり高いといえるでしょう。

 なお、海上自衛隊ではすでに音響測定艦3隻を4つの乗員チームで交互運用する複数クルー制を導入しており、2026年3月の「びんご」就役以降はさらに1チーム増やして、4隻を5クルーで回すことで稼働率アップを図ろうと計画しています。

 どんな護衛艦や潜水艦よりも、中国やロシアが警戒しているのはひびき型だという話もあるため、4隻の音響測定艦は目立たないものの、極めて重要な自衛艦のひとつと形容できるでしょう。

【ひびき型にソックリ?】横浜港に停泊する米海軍の音響測定艦です(画像)

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