世界で最も愛用されている戦闘機とは? F-15「イーグル」は第3位! なら1位は
毎年、世界各国の空軍戦力を分析しているイギリスの航空専門誌が2025年の最新状況を発表しました。それによると世界中の戦闘機総数は1.4万機ほどだとか。では、その中で最も使われている機種は何なのでしょうか。
1位、2位、3位は?
・5位 MiG-29:788機
旧ソ連時代に開発され、冷戦終結後も世界各国で採用され続けています。ロシアやインドを中心に多くの国が運用しており、比較的安価で高機動性を備えているため、中規模国の主力戦闘機としての地位を確立していますが、生産数は退潮気味です。
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・4位 F/A-18:827機
特に米海軍での運用が多く上位に入りました。空母艦載機としては圧倒的1位だとも言えるでしょう。本ランキングにおいてはF/A-18「レガシーホーネット」とF/A-18EF「スーパーホーネット」の両方が含まれていると推測されます。今後も米海軍の主力戦闘機の地位を維持し続けるでしょうが、生産はまもなく完了する見込みです。
・3位 F-15:919機
現在、米空軍のみならず、日本、サウジアラビア、韓国などの国々が運用し、近年のF-15EX「イーグルII」の導入によりその数はさらに増加しています。その信頼性の高さと高い戦闘能力は各国の空軍から評価され続け、未だに生産は継続中です。
・2位 Su-27シリーズ:1284機
東側戦闘機の代表格Su-27「フランカー」シリーズはロシア、インド、中国といった大国を中心に多くの国に輸出されています。近年は次世代戦闘機Su-57の開発遅れからSu-30、Su-35といった機体が増産されており、今後もこの数は増加するでしょう。
・1位 F-16:2084機
堂々の1位はF-16でした。配備数は圧倒的な2084機。世界の戦闘機総数の約15%を占める驚異的なシェアですが、それ以外にも練習機として運用されているのが629機あるため、それらを加算すると2713機まで増え、2位とは“ダブルスコア”にまでなります。
その汎用性の高さ、改修のしやすさ、運用コストの低さから、多くの国にとって不可欠な存在となっています。またF-35への交代が行われつつあることから余剰機がウクライナ支援へ回されやすくなっています。
こうして見ると、依然としてアメリカ製戦闘機の優位性は揺るぎないものの、旧ソ連/ロシア機の存在感も依然として大きいことがわかります。また、F-35のような次世代機の台頭がある一方、J-7(MiG-21)やSu-25、Su-24のような旧世代機がまだ多くの国で現役なのも興味深い現象であると言えるのではないでしょうか。
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
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