“本州最東端”を75年間海を照らし続けた「灯台用特殊レンズ」いよいよ撤去される 新型の灯器は?
長年海の安全を守ってくれたレンズ。
凸レンズと同じ性能を持ちつつ軽いレンズ
海上保安庁は2025年2月20日、岩手県宮古市にある本州最東端の灯台「魹ヶ埼(とどがさき)灯台」の灯器(照明)用レンズを取り外したと公式Xで発表しました。
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2月14日に行われたこの作業では、「フレネルレンズ」と呼ばれるレンズを外しました。同レンズは約75年もの間、三陸の海の安全を守るために仕事をしていたとのことです。
フレネルレンズは、1枚の厚くて重い大きな凸レンズの代わりにプリズム状の複数枚のレンズを組み合わせて、同じ性能が出るようにしたものです。
薄くて軽いという特徴があり、レンズの焦点に光源を置けば、屈折して平行の光線となって放射される性質があり、古い灯台の灯器の能力を高めるレンズとして使用されていました。
海上保安庁によると魹ヶ埼灯台は、フレネルレンズを取り外した後、3月にはコンパクトなLED灯器を持つ灯台として生まれ変わるそうです。LED化された灯台は、これまでの白色電球よりも視認性が向上するほか、電球よりも長寿命になることからメンテナンスコストが減るといわれています。
なお、海上保安庁にとって、全国の灯台や無線方位信号所などの航路標識を維持・管理するのは重要な任務のひとつとなっています。
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