電車に“あるはず”のものが無い! 67年ぶりの「思いきった新型車両」ついにデビュー 伊予鉄

四国の愛媛県を走る伊予鉄道で新型車両7000系がデビュー。完全な新設計の新車としては、実に67年ぶりです。未来感のあるデザインを意識したというその車両は、車内も“思いきった”趣向で、スッキリとしていました。

とにかく四国初を目指す!車内が“超スッキリ”に

 伊予鉄道で実に67年ぶりとなる新型車両7000系がデビュー。2025年2月21日、松山市駅で出発式が行われました。松山市の郊外電車線である高浜・横河原・郡中線用の新車です。

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いよいよデビューした伊予鉄の新しい顔となった7000系。高浜線衣山―古町(坪内政美撮影)

 2024年度から約40億円をかけて3か年計画で導入を進めるという伊予鉄7000系。3両1編成とした6編成18両を新製し、1987年から活躍していた700系(もと京王電鉄初代5000系)5編成13両を置き換える計画です。

 2月21日出発式を前に、車両基地がある古町駅に7000系第1編成が姿を現しました。伊予鉄コーポレートカラーである目が覚めるほどのオレンジ色に身を包んだ車体に、これまでの車両にはなかった黒の窓枠を配し、先頭車は未来感ある流線型を採用。この設計にはメーカーと何度も協議を重ね、「乗ってもらいたい都会的なフォルム」にしたく流線型の角度にこだわったと、伊予鉄グループ社長の清水一郎さんはいいます。

 伊予鉄は創立が1887(明治20)年と民営鉄道では2番目、四国では最も古い歴史をもつ鉄道会社です。そのプライドもあり、とにかく「四国初」を実現したく、7000系は各ドア上にデジタルサイネージを導入して中づり広告をなくしたほか、車内には網棚もありません。使用頻度が少なく乗客にとっても負担がかかる網棚を思い切って廃止し、窓をその分広げることで開放的な広々とした空間を提供できたそうです。

 そんなイチ押し車両に沿線首長や清水一郎社長、報道関係者が乗り込み、電車は古町駅から出発式会場であり多くのファンが待ちわびている松山市駅へ。伊予鉄のハイライトともいえる郊外線と路面軌道との平面交差(ダイヤモンドクロッシング)がある大手町駅の踏切を通過し、郊外線2区間約6分の試乗を楽しみました。

 省エネ性能の向上で消費電力の約50%を削減したという7000系。前述した路面軌道との平面交差をする関係で、高浜線は600V、横河原線・郡中線は750Vと他の鉄道にはない特殊な架線事情をもつ伊予鉄にとって、この向上は苦労の賜物といえます。それに加え、軽量ステンレス車体、VVVF制御、回生ブレーキの採用により、その静かな走行音に沿線首長も驚いていました。

【アレ無くしちゃったの!?】超スッキリな7000系の車内(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 社長の名前が途中で変わってる。てきとーな仕事してるから相手の名前すら間違ってても気づかない。