巨大空港にニュータウンが出現!? 進む香港国際空港の「大改造」 新名所になるか
香港国際空港で、周辺一帯を巻き込んだ大規模な改修・開発工事が行われています。アジアのハブ空港として、第3滑走路の建設に加え、商業施設やスポーツ施設、ホテル、文化・芸術施設、そして無人交通システムまで整備されます。
ゆりかもめのような無人交通システムも
「11 Skies」の北側に隣接する形で、ラグジュアリーホテルも建設されます。その反対の南側には芸術専用の施設も開業予定で、近年、アートのハブになることも目指す香港においてはその一環といえるでしょう。
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なお、ラグジュアリーホテルの北側には「亜洲国際博覧館(AsiaWorld-Expo)」という、東京でいうならビッグサイト、幕張メッセのような大型展示場があります。過去には安室奈美恵さんやX JAPANをはじめ海外のアーティストがコンサートを開催しており、香港市民にもよく知られているのですが、その第2期棟が建設されます。コンサート会場は2万人が収容可能で、2028年の竣工を目指します。
香港とマカオのあいだには世界最長のつり橋「港珠澳大橋(HZMB)」がありますが、それを利用するには税関を通過する必要があります。税関は、空港東側の埋め立て地に所在し、このたびの開発では空港と一体化されます。
まず、500のヨットが停泊できるヨットハーバーを設け、富裕層をターゲットにリゾート型のホテルを建設します。続いて空輸された世界の新鮮な野菜や魚介類を販売する海鮮市場や、ボウリング場など様々なスポーツを楽しめる施設、2年以内には1.5kmに及ぶプロムナードも整備され、海沿いで食べ歩きが楽しめるように多くの飲食店が軒を連ねる計画です。
これらの中心となるのが「海湾広場」で、新年や旧正月のカウントダウン、大型イベントなども開催できます。
また、各施設どうしの移動を楽にするため、ゆりかもめのような無人交通システムも整備されます。空港関係者が多く住む東涌(Tuns Chung)という地域とも接続され、2028年の開通予定です。なお2022年11月に完成した、世界最大の旅客機A380が通過できる巨大連絡通路「スカイブリッジ」も、今回の大規模開発の一環です。
全てが完成すると、あたかも新しいひとつの街が出来上がるような感じでしょう。そして、再びナンバーワン空港に返り咲くことができるのか、注目です。
Writer: 武田信晃
新聞記者、編集者として勤務した後、フリーランスのジャーナリストとして独立。香港と日本の政治・経済、社会などを中心取材するほか、国内外で行われているスポーツについても取材・執筆をしている。
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