「ボディが楕円形!?」 前代未聞の“珍形状”電車、中身もスゴかった! 100歳近い車両に代わる最新型
「嵐電」の名で親しまれる京都の京福電鉄で新車両モボ1形「KYOTORAM」がデビュー。楕円のように弧を描く“顔”はインパクト大です。100歳近い車両を置き換える最新車両とは、どのようなものでしょうか。
100歳近い車両と「朝ドラ車両」が引退
今回のモボ1形の登場で置き換えとなるのが、1929(昭和4)年に製造された100形(モボ101形)6両すべてと、1971(昭和47)年に製造された300形(モボ301形)1両が対象となります。

特に旧塗装を纏った300形301号は、2021年度後期のNHKの連続朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でのロケ車両としてもファンに知られた存在。1983年という設定で劇中に登場したものの、ロケ中、車窓に当時最新のトヨタ・プリウスやブーメラン型パトランプをつけたパトカーなど現代のクルマが映っていたため、SNSでは一時話題になりました。
「あのロケは大変でしたよ。運賃箱や表示機など車内を当時に近い設備に改造して、映りこむ車窓を何度もロケハンして現代の看板や建物が映らないように画角まで調整していたのに。まさかプリウスがね……」と当時、ロケ列車の運行調整を行ったという管理部部長で広報担当の鈴木浩幸さんは振り返ります。
その当時、ほとんどが現在の京紫塗装になっていた中で、旧塗装であるベージュと緑のツートンカラーを纏っていた301号車は、運よく残っていた1両だったといいます。
2月28日から一般運用を始めた新鋭モボ1形の運用情報は、公式Xで発表されます。また、置き換えが決まりカウントダウンが始まった100形や300形も、しばらくは見ることができます。この春は嵐電の桜と新旧車両とのコラボに出かけたいものです。
Writer: 坪内政美(スーツの鉄道カメラマン)
1974年生まれ、香川県在住。いつでもどこでもスーツで撮影に挑む異色の鉄道カメラマン・ロケコーディーネーター。各種鉄道雑誌などで執筆活動をする傍ら、予土線利用促進対策協議会のアドバイザーやテレビ・ラジオにも多数出演するなど、鉄道をワイフワークに活動している。著書に「鉄道珍百景」「もっと鉄道珍百景」「駅スタンプの世界」「100万キロを走ったセドリック」(いずれも天夢人刊)がある。
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