航空券「最安値一瞬で分かる」→マジ? 価格比較サイトの落とし穴 「LCCの方が安い」とも限らない!
スマホひとつで「価格比較→購入」という消費行動が可能となった現代。国際線の航空券購入については、そこに“落とし穴”があるかもしれません。
結構オススメされる!?「異なる航空会社乗り継ぎ」の注意点
しかしこうした場合、乗り継ぐ空港での入出国や、それにともなった荷物の引き取りと再度の預け入れが必要になることがあります。国や空港によっては、乗り継ぎ時間が3時間あっても不安ですし、そもそもはじめに乗る便が遅延して乗り継ぎに失敗しても、航空券が“別切り(別々の航空券として発券されること)”であれば、航空会社は代替便を用意してくれないのが通例です。とくに機材繰りがギリギリで、遅延も多いLCCからの乗り継ぎには要注意です。

そして乗り継ぎを含む場合は、欠航での旅程変更にも注意が必要です。
乗り継ぎの旅程であっても、航空会社の直販で一括購入したときは、第一旅程が欠航になると、日程の変更や他社便の手配も含め、柔軟な対応が期待できます。
しかし、価格比較サイトで案内された旅行代理店からの購入では、対応の窓口が基本的には旅行代理店となります。そのぶん、代替便の手配に時間がかかる、要望を通すための交渉が必要となるといった面倒がリスクとしてつきまとうのです。
また、航空会社のマイルを貯めている人にとっては、「価格比較サイトから案内された代理店では、購入するまで『予約クラス』がわからないことがある」というのも、失敗の要因となります。
予約クラスとは、エコノミーやビジネスといった「座席クラス」とは異なり、座席指定の可否、予約変更の可否などの条件を示すもので、より上の予約クラスのほうが、マイル加算率が高くなるのが通例です。激安な航空券ではマイル加算が0というものもあり、「わずかに高いもののマイル加算のある航空券を選んだほうが、結果的に有利だった」ということもありうるのです。
最後に「表示された運賃は、本当に最安値なのかどうか」もポイントとなります。
航空会社では不定期でキャンペーン運賃を設定することがありますが、これを“頻繁”といえるほど行う会社も。そのなかには高い割引率を持ちながらも、「航空会社の直販サイトで購入したときのみ適用される運賃」もあります。
そのため、価格比較サイトから案内された代理店で購入するよりも、航空会社直販で購入したほうが安くなる例も、タイミングによってはありうるのです。購入ボタンを押す前に、航空会社の直販サイトも忘れずに確認するのもポイントでしょう。
このように価格比較サイトにはさまざまな“落とし穴”もありますが、一方で、こうした知識をもって利用すれば、旅行費用を安く済ませることができたり、意表を突く乗り継ぎで知らない街を楽しむ機会を与えてくれたりもします。
航空会社直販と価格比較サイトをうまく使い分け、費用を節約しつつ、充実した旅行を楽しんでください。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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