ノキアにF-35のエンジン整備・組み立て施設が完成へ 北欧の修理拠点に?
パトリアが組み立て施設の運営を担当。
将来的にはNATO加盟国の機体も扱う?
フィンランドの防衛・航空宇宙関連企業パトリアは2025年3月17日、F-35戦闘機用ジェットエンジンの組立・整備施設の完成式を14日に開催したと発表しました。

同施設は、フィンランド軍に将来納入されるF-35の安定供給に向けて、フィンランドのピルカンマー県タンペレ郡ノキアに設置され、2025年秋から稼働予定です。同機搭載のF135エンジンを組立・整備します。
F135エンジンを製造しているアメリアのプラット・アンド・ホイットニーは2024年、パトリアと、2025~2030年のF135エンジンや部品の組み立てに関する契約を結んでおり、さらに2030年からF135エンジンの整備、修理、オーバーホール、アップグレード(MRO&U)業務への移行が予定されています。
フィンランドは2021年12月にロッキード・マーチンとの間でF-35を64機購入する契約を結びました。しかしその後、世界情勢は大きく変化。ロシアのウクライナ侵攻を受け、フィンランドはそれまでの中立政策を改め、2022年3月に北大西洋条約機構(NATO)に加入し、いわゆる西側諸国の一員となりました。
そのため同施設には、フィンランド国内の整備環境充実みならず、欧州のNATO加盟国が使用するF135エンジンの維持・管理ネットワーク拡大も意図されているようです。
なお、フィンランドには、F-35は2028年頃から納入される予定で、2030年には空軍が使用しているF/A-18「ホーネット」を置き換える計画です。
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