「バスセンターのカレー」に挑戦状!? 「フェリーターミナルのラーメン」を超有名店監修でフェリー会社が作っちゃったワケ
フェリー運航会社の佐渡汽船が超有名店とタッグを組み、オリジナルのラーメンを開発しました。佐渡の食材をふんだんに使った逸品で、新潟名物「バスセンターのカレー」に追随する意気込みです。フェリーの会社がラーメン、一体なぜでしょうか。
超人気「バスセンターのカレー」、ならば「フェリーターミナルのラーメン」だ!
新潟県の「B級グルメ」の一つとして有名なのが「バスセンターのカレー」です。同じく県内のフェリー運航会社は有名店チェーンと組んで、あの“国民食”を共同開発し、新たな名物にしようと意気込んでいます。なぜ船舶会社が食品を手がけることになったのでしょうか。

「バスセンターのカレー」は、新潟市中心部の「万代シテイバスセンター」の食堂で提供されているカレーです。素朴ながらクセになる味わいでファンが多く、食べるためにバスセンターを訪れる観光客も大勢います。
二匹目のどじょうを狙ったのが、同じ新潟市に本社を置く佐渡汽船です。金山が世界遺産に登録された新潟県・佐渡島の特産品を活用し、“新たな名物”を有名店チェーンなどとともに共同開発しました。
尾渡英生社長は筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)のインタビューで狙いについて、輸送人員が新型コロナウイルス禍前を依然下回っている中で「佐渡島に来てもらえるようなとんがったご当地の名物を作りたかった」と打ち明けました。
佐渡汽船はジェットフォイル3隻とカーフェリー3隻、貨物船1隻の計7隻を保有。新潟港~両津港(佐渡島)でカーフェリーとジェットフォイルを毎日運航し、直江津港~小木港(佐渡島)でカーフェリーを冬期以外に運航しています。新潟港~両津港の所要時間はジェットフォイルが1時間7分、カーフェリーが2時間半、直江津港~小木港が2時間40分です。
新型コロナウイルス禍前の2019年の累計輸送人員は146万6681人でしたが、コロナの感染が広がった20年には76万342人、21年も76万3971人と半分程度の水準まで落ち込みました。
経営難に陥った佐渡汽船に出資し、再建に乗り出したのが、茨城交通や岩手県北自動車、湘南モノレールなどを傘下に抱える「みちのりホールディングス」です。商社の双日出身の尾渡氏が湘南モノレール社長から転じて立て直しを指揮し、2024年の輸送人員は127万3475人まで戻りました。それでもコロナ禍前の水準への回復は道半ばです。
観光客を呼び込む起爆剤として世界遺産「佐渡島の金山」とともに柱になると目を付けたのが、海産物をはじめとする豊かな食材でした。白羽の矢が立ったのが日本の“国民食”のラーメンでした。
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