機体紛失=怒られる←探し回る方がキケンでしょ!「ドローン」巡る軍中央と現場の温度差

戦場において重要な地位を占めるまでになったドローン。果たしてこれは「消耗品」でしょうか「装備品」でしょうか。兵器としては圧倒的に安価であり、最前線へ投入されるために消耗も激しいですが、軍は装備品、すなわち財産と見るようです。

戦場でロストしたドローンを探し回るリスク

 これだけドローンが普及している現状で、10年以上前の事案を理由とするような官僚的手続きを、時代遅れのお役所仕事として簡単に排除することはできません。軍隊において装備品の管理は厳格であらねばならず、帳簿上の数字と実際の数を照し合せる「員数合わせ」は、古今東西を問わず最も重要視されています。

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オフロード車両、通信設備、攻撃用クワッドコプター、FPVドローンで編成されたウクライナ軍の無人攻撃機部隊(画像:ウクライナデジタル変革省)

 それは、「員数」が部隊の戦闘力を適切に評価・把握するために絶対に必要なファクターであり、仮に規定の員数と実数が異なれば戦力評価の信頼性が揺らぎ、作戦そのものが崩壊するリスクさえあるのです。帳簿合わせは兵站の基本中の基本です。

 しかし、実際にはドローンをロストした現場部隊は、責任を回避しようとラジコン飛行機の捜索と同じように、オペレーターが戦闘地域をさまよって機体を探すようです。ただ、この行動は、無人機の本来の利点である「人的リスクの軽減」と矛盾し、そもそも無人機を飛ばす意味がなくなるものだと指摘されています。

 これは今後のドローン運用のあり方を左右する重要な課題です。最初から弾薬扱いのFPVドローンは別にしても、大きさや任務、価格も千差万別のドローンが急速に普及しているなかで、「消耗品」なのか「装備品」なのか、切り分けの基準をどこに設けるのか。コントロールスティックを操作して離陸させた瞬間の緊張感と、無事に愛機を着陸させたときの安堵感は、筆者には痛いほど理解できます。

大失態のトラウマ 大嫌いな国に捕らえられたアメリカの無人機とは(写真)

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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