廃止危機の大手私鉄2路線「存続が決定」 海沿いぐるりのネットワーク維持 これからも“名鉄”で
愛知県西尾市は2025年3月19日、名鉄西尾線・蒲郡線の2026年度以降の存続方針を決定したと発表しました。
名鉄蒲郡線は「みなし上下分離」へ
愛知県西尾市は2025年3月19日、名鉄西尾線・蒲郡線の2026年度以降の存続方針を決定したと発表しました。

名鉄西尾線は新安城~吉良吉田間、蒲郡線は吉良吉田~蒲郡間で、内陸で並行する名鉄本線・東海道線に対して三河湾沿いを結ぶ路線網を形成しています。
しかし、西尾線の西尾駅以南(西尾~吉良吉田~蒲郡)は利用者が少なく、沿線自治体と県、名鉄が存廃や活性化策を議論してきました。なお、新安城から吉良吉田までは名鉄本線と直通していますが、蒲郡線内は折返し列車のみの運行となっています。
3月19日の協議会にて、蒲郡線については「みなし上下分離方式」による存続を決定。これは、「上(鉄道の運行部分)下(線路や電路など鉄道の運行に必要な鉄道施設等の維持管理)の主体が完全に分離しないものの、鉄道施設等の保有に係る経費相当分を地方公共団体が負担することで、実質的に上下分離した場合と同様の効果を実現しようとするもの」と説明されています。
合わせて、鉄道事業再構築事業を適用することにより、国の社会資本整備総合交付金(地域公共交通再構築事業)の活用を目指し、運行期間を15年とします。
西尾線(西尾~吉良吉田)については事業構造の変更は行いません。ただし従前どおり協議対象区間とし、蒲郡線と一体的に利用促進策を継続するということです。
蒲郡線のみなし上下分離方式への移行は2026年4月。自治体が負担する範囲は今後決定します。これにより、蒲郡線も名鉄線として引き続き存続することとなりました。
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