羽田空港T2拡張、実は「乗り方の常識」が通じなくなる? 「離れ小島の空港ビル」解消が“手放しで喜べない”ワケ
本館と「離れ小島」になっていた北側サテライトが接続し、大きく変わった羽田空港第2ターミナル。ただ、利用者にとっては、手放しで「便利になった」とは言い難いケースもあるようです。
新搭乗口も設置し巨大化
2025年3月19日、羽田空港第2ターミナルの離れ小島の空港ビル「北側サテライト」と本館をつなぐ接続部が完成し、北側サテライトへの徒歩でのアクセスが可能となりました。この工事はこれまでの同ターミナルの課題を解消するものとされていますが、利用者にとっては、手放しで「便利になった」とは言い難いケースもあるようです。

第2ターミナル北側サテライトは、将来の航空需要拡大や利便性の向上を見すえ建設が決まり、2018年12月に固定搭乗橋3か所を設置し供用がはじまりました。しかしこの時点では、本館とは建物として一体化していなかったため、ここから発着する航空便を利用するときには、第2ターミナル本館との間で連絡バスによる移動が必要となっていました。
2023年4月より、この本館・サテライトのあいだに空港ビルを設置し、2棟を一体化する工事がはじまりました。そしてこの春、当初の予定どおりに工事が終了、供用がはじまったのです。
この、新たに完成した空港ビルは単なる通路ではなく、固定搭乗橋3か所を設置、うち2か所は小型機を2機駐機できるマルチスポットとすることで、最大5スポットでの運用に対応。旅客導線の最適化や定時運航率の向上が図れるとしています。
さてこの北側サテライト接続部の完成で、いっそう広くなった羽田空港第2ターミナルですが、じつはその“広さ”が仇となり、利用客のとまどいにつながる可能性が生まれています。
その原因は、出発保安検査場から北側サテライトまでの徒歩移動に時間がかかることです。
ANA(全日空)ウェブサイトの「羽田空港 第2ターミナル 空港案内」によると、もともと北側サテライトに設置されていた47~49番搭乗口までの目安時間は、同ターミナルでもっとも北側にある「保安検査場A」から11分、Bから13分、Cから15分としています。
ANAは出発に際しては「出発時刻10分前までに搭乗口へ」と協力を呼びかけていますが、一方で出発保安検査場の通過時刻は「出発時刻の20分前まで」としています。
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