「街が…なくなってる!」 宇都宮LRT“延伸”のカギを握る「激変エリアの新道路」とは?
宇都宮ライトレールの宇都宮駅西側への延伸に向けた動きが活発化しています。このカギを握るのが、市街地の一画で“消えた街”となった場所で建設されている新道路です。
LRT延伸で「大通りを片側1車線にしていいの?」
栃木県宇都宮市が「宇都宮ライトレール」(芳賀・宇都宮LRT、以下LRT)の宇都宮駅西側への延伸に向けた動きが活発化しています。2025年2月に具体的な方針が示されて以降、プロジェクトの専用ウェブサイトや完成イメージ動画などが相次ぎ公表されています。

この“西側延伸”に一部関連して、宇都宮市街地の一画で劇的に変化している部分があります。もとあった建物が見渡す限り取り壊され、完全に“消えた街”となっているところです。実はここが、LRT延伸のカギを握っている場所ともいえます。
宇都宮駅東口から芳賀町内までの14.6kmで2023年に開業したLRTの利用は、2025年1月末時点で累計利用者数が700万人に達するなど好調に推移しています。しかし、この駅東口はもともと“裏口”で、駅西口から1.5km離れた東武宇都宮駅までのエリアが本来の市街地です。歩くと辛い距離だからこそLRTの延伸需要も見込まれています。
ただ、LRTは駅西口から延びる大通りの真ん中に建設され、これに伴い東武付近までは大通りが片側2車線から1車線に減少する見込みです。この方針が発表されるや、SNSでは「1車線で(渋滞は)大丈夫?」との声も見られました。
というのも、このJR駅-東武駅の区間は、いわば“バス銀座”だからです。宇都宮の路線バスは昔から、その多くがJRと東武の両方を経由する運行が特徴で、この市街地区間はいくつものバスが重複して走る区間となっています。
市は、LRTと重複する大通りのバスは「3割程度削減」し、捻出するバスのリソース(運行距離にして約3000km、約300本分)を、都市拠点と地域拠点をつなぐネットワークなどに振り分けるとしています。
そして、大通りを避けようとする通過交通については、この区間を取り囲む「都心環状線」などへ移行させることで、都心部への過度な自動車流入の抑制を図るとしています。大通りが片側1車線になる区間は、駅から東武前を越え、この「都心環状線」までとされています。
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