結局「戦艦」ってなんなのよ? かつての「海の王者」の栄枯盛衰…実は「スタイル変えて復活」案も!?

かつては「海戦の王者」と呼ばれた戦艦。海戦、さらには戦争そのものの勝敗を決する、大艦巨砲主義とも呼ばれる一時代を築き、かつてはその国の軍事力の象徴として君臨していました。ですが今は廃れた艦の種類となっています。

第一次世界大戦後戦艦はゆるやかに衰退する

 第一次世界大戦後の海軍軍縮会議などを挟み突入した第二次大戦では、戦艦の扱いが大きく変わることとなります。これは、航空機が進化したことで、戦艦の優位性が揺らいだためです。それを示す最初の戦いは、1940年11月11日に起きたタラント空襲。イギリス海軍の空母艦載機の雷撃攻撃により、イタリア海軍が戦艦「コンテ・ディ・カブール」を失います。無敵のはずの戦艦が航空機の攻撃によりいとも簡単に沈んでしまったのです。

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真珠湾攻撃にて爆発炎上する戦艦「アリゾナ」(画像:アメリカ海軍)

 さらに1941年12月8日の真珠湾攻撃で日本海軍は、航空母艦を中心とした第一航空艦隊をもってハワイ、真珠湾のアメリカ海軍を攻撃し、戦艦4隻を沈没させるという大きな戦果をあげました。

 ただ、これらの攻撃は停泊中の艦が狙われたため、当時は「航行している状態ならば沈むことはない」という考えもありました。それを覆したのが1941年12月10日に発生したマレー沖海戦です。この海戦で日本海軍陸攻隊はイギリス戦艦の「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」を撃沈しますが、実は開戦前の研究では、航空機は戦艦の防空砲火を受けながら戦った場合、参加兵力の6割の損耗は覚悟しなければ戦果が出ないという検証結果もあったほどで、ほぼ一方的な攻撃で敵艦を沈められたのは予想外の出来事でした。

 この戦いをきっかけに太平洋方面では、空母と艦載機による戦いが重要な意味を持つようになり、空母艦載機などの空の支援を失った後に戦った日本海軍の最新鋭艦だった「大和」と「武蔵」も「航行中に航空機により撃沈された戦艦」のリストへ追加されることになります。

 そのため第二次大戦中期以降の戦艦は、艦隊決戦用というよりは、「動く大型砲台」として考えられるようになりました。これを特に活用したのがアメリカ海軍です。上陸作戦を支援する際に、巨大な砲により絶大な面制圧ができたため、太平洋や欧州で上陸作戦を支援するために欠かせない存在になったのです。

 そのため、アメリカ海軍に限っては、朝鮮戦争やベトナム戦争などで戦艦を艦砲射撃のために運用していましたが、ほかの国では戦艦は続々と退役。さらに、新たに戦艦を作ろうという国はなくなっていったのです。

 ただアメリカ海軍のアイオワ級戦艦だけは、ベトナム戦争後退役した後も1980年代に再就役し、1991年の湾岸戦争では3番艦「ミズーリ」が艦砲射撃を実施しました。ただ、その後はアメリカ海軍に在籍していたものの、再び戦場に出ることはなく、2006年までにすべての戦艦が除籍されて、世界の海から戦艦という艦種は消えてしまいました。

 以後、戦艦という艦種の再就役を試みた話はありませんが、「大型艦による対地攻撃」という手法は戦法的に魅力を持つようで、似たような事例であれば存在します。アメリカ海軍では1990年代に「21世紀の戦艦」と銘打って、アーセナルシップという新たな大型艦の建造を計画していました。

 これは、甲板上に500もの垂直発射システムを備えた大型ミサイル艦とも呼べる艦艇で、レーダーなどはほとんど搭載せず対地攻撃用のミサイルだけを大量に搭載した戦闘艦として計画されていました、ただこちらも計画だけに終わり、現在は立ち消えになっているようです。

【せ、戦艦の元祖!?】これが、英仏が建造した装甲艦です(写真)

Writer:

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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