東海道・山陽新幹線の「仕事席」倍近く値上げへ! それでも利用価値はあるのか?「グリーン車でいいじゃん」とはならなさそうなワケ
東海道・山陽新幹線のビジネス向け座席「S WorkPシート」が、2025年5月から値上がりします。通常の指定席より広いスペースとプライベート感がウリですが、グリーン車と何が違うのでしょうか。設備や値段を比較します。
倍近い値上げが発表された「S WorkPシート」
東海道・山陽新幹線の普通車指定席のうち、7号車は、ビジネス向け車両です。中でも6〜10番A・C席の「S WorkPシート」は、広いスペースとプライベート感で人気を博していますが、利用に必要な追加額が現行1200円から、5月15日乗車分以降は2000円に改定されます。

金額だけ見ると倍近い値上がりですが、それだけの価値はあるのでしょうか。普通席、グリーン車も含めて改めてその特徴を見ていきましょう。
「S WorkPシート」の売りといえば、3人掛けの中央、B席にパーテーションを設置してA・C席それぞれの占有スペースを1.5人分に拡大したことです。また、パーテーションがあるため1席離れた乗客の顔も見えません。乗客同士の距離とプライベート感は、グリーン車をしのぐものがあります。
逆に、「S WorkPシート」は普通車の座席をそのまま改良していることから、1座席あたりの幅やゆったり感はグリーン車に軍配が上がります。フットレストや毛布、おしぼり、車内販売などもグリーン車ならでは。静かな空間だからこそできるインプットや、思考を巡らせアイディアを練るということも、グリーン車の方が捗りそうです。
ただ、「S WorkPシート」も負けていません。座席幅は普通席と同じながらも、パーテーションと肘掛けの間にあるスペースに荷物や弁当を置ける上、ドリンクホルダーがあるのもうれしいポイントです。テーブルをパソコンなどの作業アイテム専用として使えますし、新幹線で手元にドリンクを置ける環境って意外と少ないですよね。
シートピッチ(前後間隔)は、N700A・N700Sの普通席で1040mmが基本ですが、1・16号車とN700Sの11号車が1023mmとやや狭くなっています。「S WorkPシート」は7号車に設定されているので、1040mmのピッチが約束されるというのもメリットのひとつでしょう。
社内規定で出張時の移動にグリーン車の利用を認めてもらえない会社もあるでしょうから、そういう意味でもPC仕事がしやすいSwork車両は一般の指定席の区分に当てはまるので利用しやすいんですよね