「ハザード挨拶」する? 法律にないクルマどうしのコミュニケーション 「反ハザード」派の意見とは
クルマを運転中「ありがとう」の意を込めてハザードで挨拶する行為。しばしば目にする光景ですが、厳密にはルール違反です。さらに近年は「反ハザード挨拶」派も増えているのだとか。
「ハザード挨拶」するドライバー7割超え
現状、挨拶のためにハザードを使う人は多く、JAF(日本自動車連盟)の調べでは「埼玉県のドライバーの91.3%が『サンキューハザード』をする」とのこと。逆に交通量の少ない北海道では「『サンキューハザード』をするドライバーが76.7%ほどに留まる」とし、「特に交通量が多い地域で使われる傾向がある」と結論付けています。
とはいえ交通量の少ない地域でも、7割超えのドライバーが「ハザード挨拶」をするほど浸透していることもあり、現状では取り立てて違反対象とされることはまずありません。
ただし、厳密には正しい使い方ではないため、「挨拶ハザード」によって事故や危険を誘発した場合は違反対象になる可能性があり、こういった点からも専門家のあいだでは「無闇にハザードを使うことは控えたほうが良い」「それが本来のハザードだ」とする声も多く上がっています。
一部ドライバーのあいだで広がる「反ハザード挨拶」
また、一部ドライバーの間でも「反ハザード挨拶」の声が聞かれます。主な意見は以下の通りです。

「『ハザードでお礼を伝えれば良いでしょ』みたいな感じで、容赦なく割り込んでくるドライバーがいる」
「ほかのドライバーに対し、駐車するのかお礼なのか混乱させる」
「通常運転中に、運転操作にスキを生むことは危険度を上げることになる」
「そもそもの交通ルールに反している」
「ハザード挨拶」肯定派の筆者はこういった正論を前に、「そ、そうですよね……」と折れてしまいそうではありますが、「ハザード挨拶アリ・ナシ」問題は、警察や専門家も含めてさらに議論を重ねつつ、一定の推奨マナーやルールを設けたほうが良いようにも思う次第です。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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