現存唯一! 海上自衛隊が生まれた地で旧海軍の「技術遺産」にビックリ「誰か引き取って」
神奈川県横須賀市にある海上自衛隊第2術科学校を見学したら、日本で唯一現存する旧日本海軍の技術遺産に出会いました。じつは、この地は海上自衛隊創設の地だとか。歴史についても勉強してきました。
海上自衛隊創設の地で見つけた「激レア」な一品
海上自衛隊には「射撃」「航海」「航空機整備」「経理」など多くの職種があり、入隊後もレベルに応じて「術科学校」という専門的な教育機関で、自分が携わる職種の知識を深めていきます。今回は機関や応急工作、外国語の教育などを担当する海上自衛隊第2術科学校を取材してきました。

第2術科学校があるのは神奈川県の横須賀市田浦地区。ここは、旧日本海軍や海上自衛隊の教育に深く関わる地です。日露戦争直後の1907(明治40)年に海軍水雷学校が設立されたのが始まりで、1930(昭和5)年には海軍通信学校が分離独立しています。関東大震災の影響で一時的に広島県や京都府に移転しているものの、1953(昭和28)年に警備隊(のちの海上自衛隊)術科学校が新編されると、その後は一貫して海上自衛隊の教育の地として、今に受け継がれています。
取材ではまず学校の歴史や教育内容についてガイダンスを受けました。じつは海上自衛隊の前身である海上警備隊ができたとき、旧海軍の施設や土地のほとんどはアメリカやイギリスに接収されており、ここは数少ない日本政府の管理地だったのです。そのため、いまでも「海上自衛隊創設の地」とされており、それに相応しく敷地内には様々な記念碑や歴史の遺物が点在しています。
中でも、旧日本海軍が開発し、戦艦大和にも搭載されたという「艦本式ボイラー」は日本で唯一、第2術科学校が保管しているとのことで、さっそく見せていただきました。
学校敷地の奥に案内されると、奇妙な三角形をした大型の機械がひっそりと佇んでいました。学校でも知る人ぞ知る「幻の遺物」だそうで、年に何人かはこのお宝を拝みに見学者が来訪するのだとか。ただ、現在は引き取り手を探しているそうで、もし移管先が見つからなければ、ひょっとしたらスクラップになってしまうかもしれません。
貴重な歴史の資料であることは間違いないので、どこかしらで保存・展示され、長く受け継がれることを願ってやみません。
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。
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