救急車を「マイカー」にしてる人がいた! 「自分にとってはベストなクルマ」 と語る理由とは?

人々の命を救うために活躍する救急車。その役目を終えた車両を、敬意をもって自家用車として使用している人がいます。一体なぜ救急車を選んだのでしょうか。

「生活を支えた乗りものを残したい」という思い

 パトカーや消防車、ブルドーザーやトレーラーなど、“はたらくクルマ”にはさまざまな種類がありますが、我々一般人にとって馴染み深く、また助けられる機会が多いクルマの筆頭といえるのが救急車です。

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救急車を自家用車として乗る人の思いとは!?(2025年、松田義人撮影)

 とはいえ、緊急時に後ろに乗り込む機会はあっても、救急車を自分で運転したり、ましてやマイカーとして所有したりすることは、あまり聞いたことがありません。ところが、その救急車に敬意を持ち、自家用車として乗っている人がいます。

 関東某所に暮らす関根慎太郎さんは現在、元は救急車だったトヨタ「ハイメディック」を自家用車として所有しています。なんとこのクルマは、関根さんにとって2台目の“マイ・救急車”。以前も自家用車として救急車を所有していたというから、さらに驚きです。

 役目を終えた救急車や消防車などは、官公庁オークションなどで売却されることもしばしばあります。しかし、関根さんは“はたらくクルマ”を専門に扱う販売業者から、現在所有している救急車を購入しました。

 筆者は関根さんに会うまで、てっきり「子どもの頃から“はたらくクルマ”が好きで、その思いが忘れられずに救急車をチョイスしたのかな」と思っていたのですが、関根さんは「全然違う」と言います。

「確かに乗りものは二輪・四輪ともに好きなんですよ。ただ、中学生の頃はキャデラックとかリンカーンのリムジンとか、角ばっていてデカくて長いクルマが好きで、いわゆる“はたらくクルマ”を意識したことはありませんでした」(関根さん)

 しかし、関根さんは「ある程度大人になったところで“はたらく自動車”を意識し始めるようになった」といいます。

「救急車だったり、郵便車だったり。要は人々の生活に密着していて、製品としても特別な物なのに、実用車としての役目が終わると廃車となり、カタチを留めないで消えていく……。それって、悲しいことだなぁと思うようになったのです。微力ながら、人々の生活を支えてきた乗りものを、少しでも残すことはできないかと思い、救急車を自家用車にしています」(関根さん)

【貴重な装備も!】これが「“自家用”救急車」の内部です(写真で見る)

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