「日本最速のフェリー」に代わる新造船「けやき」ついに進水! ちょっと小さくて遅い けど“中身がスゴイ!!” 新日本海フェリー

新日本海フェリーが日本海の最長航路に投入する新造船「けやき」が進水。従来船ほど速くはなく、船体も少し小ぶりになりました。実はそこに今のフェリーの“トレンド”が現れているようです。

レベルアップした豪華な船内!

「けやき」は国内フェリーでは初採用となるダックテールを含む最新鋭の省エネ船型、アンチローリングタンクとフィンスタビライザーの併用による省エネ型減揺システム、主機関と発電機関の燃費を最適化する高効率推進プラントを採用することで、従来船と比べて航行時のエネルギーの消費量を約5%削減します。

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船台にのる新日本海フェリー新造船「けやき」(深水千翔撮影)

 船内は開放的で快適な船旅を演出するため、3層吹き抜けのエントランスとシースルーエレベーター、船首部には2層吹き抜けのフォワードサロンを備えます。最上階には日本海の風を肌で感じながらの露天風呂、様々なビジュアルコンテンツを鑑賞できる多目的ルームを設置。コース料理などを提供するグリルでは海を眺めながら食事を楽しむことができます。

「旅客需要がコロナ禍前より10%近く伸びた。マイカー利用者では、夫婦やファミリー層を中心に北海道のドライブというのが非常に好評だ。フェリーは単なる交通手段ではなく、移動そのものを楽しもうということで、船内生活を飽きさせないような工夫をしている」(中山部長)

 また、中山部長が「『けやき』では大広間は一切なく、2段ベッドが並ぶ部屋もない」と話すように、客室は大勢で移動する形ではなく、マイカーや個人旅行など少人数で利用することが前提にした設備を整えます。

 客室はオーシャンビューの浴室を設けたスイートルーム2室のほか、専用テラス付きデラックス16室、シャワー・トイレが完備されたステート洋室30室、家族旅行に最適なステート和洋室8室、ペットと同伴できるステートウィズペットルーム5室を用意。

 安価なツーリストクラスでも、ツーリストSではプライベート空間が確保できる1人部屋の個室寝台を設けます。一番リーズナブルなツーリストAでは寝台を上下段で互い違いに配置しプライベートを確保するとのことです。

 ちなみに「けやき」は舞鶴市の木です。

【写真】これが新造船「けやき」です!!(進水の様子)

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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