「渋滞の影響が少ないルートです」 NEXCOがGWの移動に「常磐道」を全力で勧めるワケ
ゴールデンウイーク後半は高速道路で長い渋滞の発生が多数予測されていますが、東京~東北を移動する場合に、NEXCO東日本は「常磐道」ルートの利用を呼びかけています。なぜでしょうか。
実際、距離も短い常磐道
2025年のゴールデンウイークは、特に後半期間にあたる5月3日(土)から5日(月)にかけて、多くの高速道路で渋滞が予測されています。首都圏から北へ延びる関越道、東北道、常磐道の3路線でも、最大20~40kmもの長い渋滞が発生するとされています。
そうしたなか、3路線を管轄するNEXCO東日本が、かねて呼びかけているのが、東京方面~仙台方面の移動は東北道よりも「常磐道がオススメ」、ということです。4月23日の同社定例会見に登場した関東支社の“渋滞予報士”外山敬祐さんも改めて「渋滞の影響が比較的少ないルート」だとして常磐道の利用を呼び掛けました。

たとえば2023年5月5日の仙台から東京への上りは、「最大70分程度」常磐道ルートの方が短い所要時間になったといいます。なぜ常磐道の方が早くなるのでしょうか。
東北道の仙台宮城IC-川口JCT間が332kmなのに対し、常磐道の仙台東IC-三郷JCT間は321kmで、そもそも常磐道の方が若干距離が短いです。しかし、制限速度で走行した場合の所要時間は、それぞれ201分、218分で常磐道のほうが長くなるといいます。これは、常磐道の福島~宮城県内に87kmもの暫定2車線区間が残っており、そこでは最高速度が70km/hに制限されるためです。
しかし、常磐道は山側を通る東北道に比べ、アップダウンや急カーブが少なく走りやすい線形です。このことが渋滞にも影響しているようです。
このGW後半3日間で予測されている渋滞で見ると、下り線は5月3日の東北道で最大40km(羽生PA付近先頭)、30km(矢板PA付近先頭)、関越道で最大30km(高坂SA付近先頭)が予測されているのに対し、常磐道の下り線は期間を通じて20km以上の渋滞が予測されていません。
一方、上り線は常磐道でも長い渋滞が予測されています。4日(日)と5日の夜に柏IC付近を先頭として最大20km、5日夜には加えて千代田石岡IC付近を先頭とした最大20kmの渋滞も予測されています。
ただし、渋滞の質が違います。5日の同じころ、東北道上り線で発生する最大30kmの渋滞(加須IC付近先頭)は、通常時と比べた所要時間が約45分増し、関越道上り線で発生する最大40kmの渋滞(坂戸西スマートIC付近先頭
)が約55分増しなのに対し、上記した常磐道の渋滞はいずれも約35分増し、約25分増しに留まります。
外山さんは加えて、「出発を1時間ずらして渋滞ピークの時間を避けるだけでも効果が大きい」と話します。
さらに、東北道と常磐道をつなぐルートも、北から東北中央道(桑折JCT-相馬)、磐越道(郡山JCT-いわきJCT)、北関東道(栃木都賀JCT-友部JCT)、圏央道(久喜白岡JCT-つくばJCT)と、4路線が整備されています。渋滞の状況を見ながら適宜、どちらかの路線に迂回することも可能です。
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