「攻撃ヘリは削減!」米陸軍が有人武装ヘリを疑問視 実は日本やほかの国でも 代わりはどうする?

武装ヘリは必要なのか不要なのか……。

ピート・ヘグセス国防長官が指示

 アメリカ陸軍は2025年5月1日、ピート・ヘグセス国防長官が、陸軍の変革と調達改革に関する覚書を国防総省上級幹部に送付したと発表しました。

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アパッチ攻撃ヘリの最新タイプであるアパッチガーディアン(画像:アメリカ陸軍)

 この覚書の「部隊構造の改革」の項目には、有人武装ヘリの削減が明記されています。今後、有人のヘリ部隊を削減・再編し、敵を圧倒できる低コストのドローンで補うとのことです。

 また、「未来の戦争と新技術への取り組み」と題した項目でも、2026年末までに全師団に地上・空中発射機能を有す無人システムを配備し、無人航空機対策の機動性・コスト効率を向上させるよう命じるとともに、無人機対策への機動性やコスト効率を向上させるよう指示する項目もあります。

 アメリカ陸軍は2024年2月に、次世代の攻撃・偵察ヘリとして開発していた将来型攻撃偵察機(FARA:Future Attack Reconnaissance Aircraft)の開発を断念するという発表をしています。なお、FARAに投じていた資金は、ドローンや無人航空機の開発・調達に回すと明言されていました。

 このときにアメリカ陸軍はFARAに代わる役目を担う無人航空機を「最先端で効果的、有能かつ生存可能な航空偵察能力」と評していましたが、今回はさらに国防長官から攻撃にヘリ部隊の削減が指示されることになりました。

 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア軍の攻撃ヘリの損傷率の高さが指摘される一方、ドローンなど無人機の攻撃力は向上しており、攻撃ヘリの性能を疑問視する声も強くなっています。

 アメリカのほかにはドイツ連邦軍が、2038年までに「タイガー」攻撃ヘリを全廃しエアバスの中型ヘリコプターH145Mにミッションパックを搭載することで代用する方針を発表しています。

 また、日本でも、2022年12月に閣議決定された「防衛力整備計画」で将来的に陸上自衛隊の攻撃ヘリと観測ヘリを退役させ、無人機に置き換える方針が打ち出されました。かつては地上攻撃で絶大な信頼を得ていた攻撃ヘリの絶対性が失われる時期にきています。

【画像】ほぼ完成してたのに…これが、開発中だった次世代攻撃ヘリ「レイダーX」です

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