『紅の豚』の登場機体 実は元ネタあった!? “水上機”の世界最速レース 国の威信を賭け 大戦中の戦闘機の元になった機体も

『紅の豚』が『金曜ロードショー』で放送されます。実はこの劇中の会話で出てくる「シュナイダー・トロフィー」という大会は実在しており今から約110年前に初開催されました。

水上機だと思い切ったエンジンを搭載できた!

 なお、『紅の豚』に登場する航空機はことごとく下駄履き(フロート付き)の水上機や飛行艇になっていますが、これも戦間期の飛行機技術を反映させる形となっています。

Large 20250509 01

拡大画像

同レース最後の優勝機になったスーパーマリンS.6B(画像:BAEシステムズ)

 第一次世界大戦後は、航空機に引き込み式の降着装置が定番化される前でした。ほかにもフラップも未発達で高揚力も得られませんでした。さらに、滑走路の舗装技術も未熟だったせいもあり、滑走距離が長く確保でき、穏やかな状態ならば衝撃の少ない海上を離水する水上機の方が、高性能な機体を作れるという考えがありました。

「シュナイダー・トロフィー・レース」はまさに、そうした“水上機こそ最高性能の飛行機”という時代に行われたレースだったため、飛行機メーカーに軍が全面協力することも珍しくなく『紅の豚』の時代に最強を誇ったカーチスはアメリカ軍が強力にサポートしていました。そのため、他国も軍が本気にならなければ勝てないとなり、各国の威信を賭けたレースに発展していきました。技術に関しては特ににエンジン開発への貢献が大きく、1920年代に同レースで研究された流線型の形状である液冷エンジンはイギリスの「スピットファイア」、アメリカのP-51「マスタング」、イタリアのマッキ C.202 「フォルゴーレ」など第二次大戦時の運用された戦闘機にも採用され、受け継がれることになります。

 同レースは、同じ航空機メーカーが3大会連続で優勝すると、トロフィーをそのメーカーの永久保存とし、レース自体も閉幕することになっていました。そのレースを1927、1929 、1931年と3連覇し、終わりにしたのも、第二次大戦中に「スピットファイア」シリーズの製造も手掛けたスーパーマリン・エイヴィエーション・ワークスでした。

 ちなみに、1925年にアメリカ・ボルティモアで行われたレースでカーチス R3C-2を操縦して優勝したジミー・ドーリットル中尉(当時)は、後に、第二次大戦で日本を初空襲するドーリットル中佐その人でした。

【お、確かに『紅の豚』!】ポルコが乗っていた機体ソックリ…マッキM-33ほか(写真)

Writer:

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  4. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  5. ウクライナ軍の「1000機の無人機」がモスクワの製油所を襲撃!“タンクが吹き飛ぶ瞬間”を捉えた映像を大統領が公開 今後の影響は?
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス