F-35Aが弱いは大間違い? F-15Eに完全勝利 最新鋭ステルス戦闘機、下馬評を一蹴

「弱い」などネガティブな評価も多かったアメリカ空軍の最新鋭ステルス戦闘機F-35Aが、既存の優秀な戦闘機であるF-15を相手に、そうした見方を一変させる大きな結果を出しました。空自も導入を予定するF-35の能力は、すでに「開発途上」とはいえないレベルに到達。さらに強くなる可能性もあります。

実戦では無敵のF-15を鎧袖一触

 F-35A「ライトニングII」が、F-15E「ストライクイーグル」を相手にパーフェクトゲームを記録――2016年6月22日(水)、アメリカ空軍が公式サイトで明らかにしたところによると、ロッキード・マーチン社(アメリカ)製の最新鋭ステルス戦闘機F-35Aが、アイダホ州のマウンテンホーム空軍基地において実施された直近のF-35A運用評価試験演習にて、極めて優秀な成績を残しました。

 F-35Aは演習期間中、88回の出撃計画において88回出撃し、任務出撃率100%を達成。さらに同機は16発の誘導爆弾を投下し、うち15発を目標に命中させ94%の撃破率を達成しました。また同機は、仮想敵として参加したF-15E「ストライクイーグル」戦闘機を相手としたドッグファイトで「被撃墜率0」を記録。これに対してF-15Eを何機、撃墜(判定)したのかは明らかにされていませんが、いずれにせよ優れた結果であることは間違いないでしょう。

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F-35A「ライトニングII」。日本の航空自衛隊も導入する予定(写真出典:アメリカ空軍)。

 F-15「イーグル」の実戦における撃墜率は2016年現在、117対0。すなわち同機はこれまでただの1度も空中戦で撃墜されたことがない、「無敵」を誇る高性能機です。その改良型であるF-15E「ストライクイーグル」は、F-15系列機のなかにあって最も高性能な「AN/APG-82(v)1 AESAレーダー」を搭載し、さらに「スナイパーXR先進ターゲティングポッド」と呼ばれる赤外線センサーを持つ、従来型よりも“目の良い”F-15です。

 一方のF-35Aは「ストライクイーグル」と同等以上のセンサーを持つうえ、「MADL」と呼ばれる編隊内データリンクによって、複数機間で情報を共有する能力は比較にならないほど優れます。

 今回の演習においてF-35Aは、情報収集能力に長けた「ストライクイーグル」を相手に、持ち前のステルスによって全く発見されなかったか、そうでなくとも発見されたころにはすでに圧倒的有利な状況に持ち込むことができていたのではないかと推測されます。

テーマ特集「【F-35特集】気になる価格や性能、自衛隊による調達から諸外国の配備事情まで徹底解説」へ

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コメント

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13件のコメント

  1. でもさぁ。ペンタゴンの運用マニュアルは近接戦闘弱すぎるので、出撃の際は護衛の戦闘機つけろってことになったのでは!?
    そしたら、ステルス性が意味を半減するし、日本の場合、領空侵犯のスクランブルをファントムに代えてなんで、大丈夫なんだろか??
    F15だして、後ろにバックアップとして使用なら、スクランブル時通常2機のところ4機出したら、経費大変!!てか、そんな余力空自にはないでしょ

  2. 燃料満タン、重装備のF15なら圧勝。
    自分ならF35が近づいて来たら、
    燃料、地対空ミサイルも捨て軽量化して戦闘に望みますよ!
    その方が、最高スピードも旋回能力も上がり戦闘能力もアップ
    空中線の戦略で燃料満タンなんてありえない。戦闘機の事は知らないけど機体の耐久性とMAXで何分間の戦闘が可能か知りたい。
    将来的にはコンピュータ無人かパイロットかで変わるのか。

  3. "ドッグファイト"の内容が気になる。
    まさか現実には殆どありえない機関砲の撃ち合いで決着とかでは...。

  4. 引用元とされるアメリカ空軍の公式サイトニュースを見た。
    6/22の記事では確かに「88回の出撃計画において88回出撃し、任務出撃率100%を達成。さらに同機は16発の誘導爆弾を投下し、うち15発を目標に命中させ94%の撃破率を達成しました。」という内容は確認できた。
    しかし、「F-15Eとドッグファイトした。」なんてどこにも書いてない。F-15Eについては「F-15Eとの統合はうまくいっている。」という内容のみ。
    筆者は一体どこの記事を引用したんだ?

    • 米空軍が「F15SEとドッグファイトして被撃墜率ゼロ」と言っているのは本当らしい。
      元記事はついに確認できなかったが、「航空ビジネス短信:T2」にこの件に関するもっと突っ込んだ記事を見つけた。「War is Boring」の記事の和訳だがお勧めです。「米空軍広報 F35」でググるとトップに出てきます。
      しかし、あんなイラストだけで「F15に圧勝」とか言われてもねえ…。いくらなんでも盛りすぎでしょ。

  5. ラプターは実戦経験無しのまま引退の可能性があるし
    そもそもステルス機の実戦データが皆無な状態ではF35の実力は判断できない。

  6. F15eか、きついだろうね
    そもそもが色々きつい気がするが
    使い方間違ってるが、スナイパーポットで探すかかな
    マベリックのシーカーで探すか、irの目が無いのがね
    レーダーとインテグレート出来れば、そこせこ使えるんだけど

  7. F-15Eこそ、攻撃機寄りのマルチロール機だろ
    F-15Cとかに勝たないと意味がないんじゃない

    • f-15eの空戦性能をなめてはいけない、f-15cに及ばないと言ってもf-15eが完敗する相手にf-15cが食らいつけるほどの空対空性能差はない。

  8. 答えなんて簡単、ドックファイト前に見つけて終わりでしょう。何のためのステルスと高性能ミサイルなのか考えればだれでもわかる。
    ただし、だからこそ専守防衛日本には向いていないんだけどな。

  9. 攻撃能力が高いって事と、使えるって事は別だと思う。

    尖閣近辺の空は、近距離の寸止めによる模擬戦が主体だ。
    遠くから攻撃してはいおしまいは政治的にアウト。
    つまり高いドックファイトの性能が要求される現場。

    F-35はその激務に耐えられるか?

  10. 実際にはF-22とF-35の組み合わせとF-15EとF-16Cの組み合わせの空戦だったみたいですよ。F-22がいればこのスコアも。無理にF-35を持ち上げる米軍の発表でした。

  11. ドッグファイトが激弱なのを誤魔化すための印象操作でしかない記事

    本物の有事、実戦ではステルス狙撃して 補足されたら高速で逃げればいい
    ただ接近警告からスタートする日本の防空任務では意味のない機能だけ強いF35
    そして機体寿命がF15の半分でメンテ回数とコストが倍
    米軍ですら稼働率が50%を割り込む勢いだと言うのに、日本ではどうなってしまうのか?

    安全保障上、最新鋭機は必要だし、有事には使えても
    普段使いすれば首を絞める行為でしかない高コストな伝家の宝刀であって
    スクランブルなど通常任務は別の機体メインでやってくしかない
    絶対これ以上買ってはいけないし、これから後継機は別の機体を探さなくてはいけない