名神を“たった3km”延ばすと全て変わる!? 「名神湾岸連絡線」どこまで進んだ? 阪高神戸線“最凶渋滞”の特効薬
名神高速の終点・西宮ICから延伸する形で、「名神湾岸連絡線」の計画が進んでいます。SNSではこの計画に対し、様々な声が集まっています。
西宮IC~湾岸線の2.7kmを建設
阪神高速道路は2025年5月13日、吉田光市社長の定例会見を開催。事業に参画している「名神湾岸連絡線」の進捗について言及しました。

名神湾岸連絡線は、名神高速が阪神高速3号神戸線と接続する終点の西宮ICと、阪神高速5号湾岸線の西宮浜出入口付近を南北に結ぶ計画延長2.7kmの道路です。2021年度に事業化され、2024年度から阪神高速とNEXCO西日本による有料道路事業が導入されました。
神戸線は、西宮IC以西で損失時間が全国ワースト級とされる深刻な渋滞が発生しています。名神の西宮料金所を利用する商用車の56%が湾岸地域を発着地としており、さらに西宮料金所~湾岸地域間を走る交通の67%が神戸線を経由しているという実態があります。
そこで、名神と湾岸線をつなぎ、神戸線や国道43号に集中している交通を湾岸線に分散させることが名神湾岸連絡線の目的です。湾岸線の六甲アイランド以西への延伸(大阪湾岸道路西伸部)と一体的な事業に位置付けられています。
これにより、名神-3号線を利用せざるを得なかったクルマが、湾岸線へ容易に出られるようになるため、3号線の混雑分散だけでなくルートの選択肢を大きく広げるものとして、SNSでも期待が高まっています。
同路線が整備されると神戸線の混雑が緩和し、西宮IC~月見山IC(第二神明接続部)間の所要時間は、下りが34分から25分に、上りが39分から25分にそれぞれ短縮すると見込まれています。
阪神高速によると、現在は共同事業者である国・NEXCO西日本と事業の役割分担等などを調整しているとのこと。
国とともに予備設計業務を実施するとともに、最大の構造物となるであろう西宮港航路部をまたぐ橋梁の構造検討や、各JCT部における交通影響、施工法の検討などを進めているということで、事業の本格化には至っていません。
なお、有料道路事業では、延長2.7kmのうちNEXCO西日本が担当するのは西宮JCT取付部の0.3kmのみで、残り2.4kmが阪神高速の担当です。
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