デカっ!「世界初の貨物船」が瀬戸内海で完成 メタノール二元燃料“ウルトラマックス” 日本郵船
常石造船は2025年5月14日、常石工場で建造していたメタノール二元燃料ウルトラマックスバルカー(ばら積み船)を引き渡したと発表しました。日本郵船グループが運航します。
船もデカいがタンクもデカい! メタノール燃料ウルトラマックス完成
広島県福山市を地盤とする常石造船は2025年5月14日、常石工場で建造していたメタノール二元燃料ウルトラマックスバルカー(ばら積み船)「Green Future」を引き渡したと発表しました。本船は日本郵船グループのNYKバルク・プロジェクトが神原汽船から定期傭船して運航します。

環境に配慮した船舶の新燃料の一つとして注目されるメタノールと、従来の重油の双方を使える(二元燃料)エンジンを搭載。メタノール燃料のウルトラマックスバルカーは世界初だそうです。
ウルトラマックスは載貨重量6万トン台で、デッキにクレーンが搭載されているばら積み貨物船のカテゴリー。6万5700重量トン型の本船は、そのなかでも最大級の積載性能とのこと。
「TESS66 AEROLINE」と呼ばれる船型をベースに、大容量メタノール燃料タンクを船尾の甲板上に配置したことで、従来船型と同等の積載性能を確保し、荷役の安全性や容易さも維持しているといいます。
メタノールは重油と比較して窒素酸化物(NOx)の排出を最大80%、硫黄酸化物(SOx)を最大99%、二酸化炭素(CO2)を最大10%、それぞれ削減可能に。再生可能エネルギーやバイオマス由来のグリーンメタノールの使用も視野に入れています。また、風圧抵抗などを低減する「AEROLINE」船型の採用により、燃費性能も優れているといいます。
常石造船は今回の引き渡しについて、「環境負荷を軽減する革新的な船舶技術を具現化したもの」としつつ、これから海外工場でもメタノール燃料船の建造が続くとしています。
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