“2024年問題”実は「ドライバーの待遇が良くないから」だけじゃない! 企業だけじゃ解決できない切実な事情とは
トラックドライバーの人手不足は「2024年問題」とも呼ばれ、ここ数年ニュースに取り上げられることが多くなりましたが、実際のところはどうなのでしょうか。
普通免許でも乗れるトラック 懸念材料とは
このような状態に対応すべく、トラックメーカーも対策を打ち出しています。

いすゞは2024年7月に2017年以降に普通免許を取得した人でも運転できる総重量3.5トン以下のトラック「エルフミオ」の販売を開始しました。なお、このエルフミオはATのみの設定となっていて、これからの時代を見据えたトラックと言えます。
ただ、対応できる新車が登場したからといって、多くの事業者が新たに一括で導入するのは現実的な話ではありません。エルフミオのようなトラックがすぐに救世主になる訳ではないのです。
「エルフミオは確かに、今後の運送業界のドライバー確保のひとつだとは思います。乗りやすいという話も聞きますね。ただ、車幅はエルフと同じにも関わらず積載能力は落ちます。これだと、中小企業の限りある車庫や駐車場で置くには適さない車両と感じる業者もいるかもしれません」(人事担当)
単純に、色んな免許の人が乗れるから良いという訳でもないのが中小企業の悩みではあるようです。
ほかに、免許制度に関しても、今後進展があるかもしれません。
普通免許を取得した人が、将来的に中型や大型の免許を取得しやすいように、警察庁は2026年を目途に、オートマチック限定の中型や大型免許の導入を考えているようです。これは運送業など業界からの要望も多かったようで、今後の進展が注目されるところです。
2024年問題と言われているように、喫緊の課題であるトラックドライバーの人手不足。その背景は働く環境や給与などと思われがちですが、事業者や業界そのものだけでは解決することのできない免許制度の壁もあるのです。一概に事業者と業界だけを非難することは出来ないと言えます。
Writer: 西川昇吾(モータージャーナリスト)
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。
経験、やったことも無い者が規制かけたから悪化!物流無くして直接メーカーに個人で買いに行くようにしたいのかなぁ