ジェット旅客機のエンジン、なぜ年々大きくなっている? 現行機には「もはや樽レベルにぶっとい」モノも

ジェット旅客機のエンジンは年を追うごとに、太く、大きくなっている傾向にあります。なかには、これで高速を出せるのかと思うほどの太さを持つものも。なぜこのようなことになっているのでしょうか。

同じシリーズでもだいぶ変わった「エンジンの太さ指数」

 バイパス比は年代を追って比べると、ボーイングでもっとも売れたロングセラー機「737」を例に挙げると、初期型である737-100/-200に用いられたJT8Dエンジンは1.74でしたが、続く737-300/-400/-500に搭載されたCFM56では5.1~5.5となりました。

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ボーイング「737-10」(画像:ボーイング)。

 さらに同じ小型旅客機クラスで、現在のエアバスA320neoなどが使うPW1000Gシリーズは12のものもあります。また、ボーイング777-9のGE9Xでは9.9とされ、現在ロールス・ロイスが開発に取り組んでいるウルトラファンは15と言われています。

「バイパス比が大きい=ファンの直径が大きい」ことは、JAL(日本航空)・ANA(全日空)がボーイング777を導入した際、搭載しているエンジンの直径が、737の胴体直径より太いかもしれないと一部で話題になりました。また、ロールス・ロイスのウルトラファンは、チューブと呼ばれる英ロンドンの地下鉄のトンネルより太いとされています。

 ただし、ファンの直径が大きくなると、旅客機を新世代機へリニューアルする際に地上との間隔が減り、装着に問題が出ることも。737の最新世代機「737MAX」がこの代表例で、エンジンの装着位置を従来機より機首側・上側にするなどの設計変更を迫られました。

 ファンの大直径化は限界があるため、より高い推力と低燃費を目指すには羽根の形状や強度、冷却機能を高めるなどの改良も続けられています。とはいえ、今後旅客機のジェットエンジンがどれほど太くなるかにも興味は惹かれます。

※誤字を修正しました(5月25日14時)。

【写真】エンジンほっそ! これが今と大違いの「737初期タイプ」です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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