「自衛隊最強の機甲部隊」ウクライナ戦争反映の“見慣れぬ姿の戦車”イベントで公開

10式戦車の能力向上も計画されています。

現代戦では「対ドローン」が必須

 北海道の千歳市にある東千歳駐屯地で、2025年5月25日(日)に催された陸上自衛隊第7師団の創立記念行事において、ウクライナ戦争の戦訓を反映したと思われる自衛隊戦車が展示され、来場者の注目を集めていました。

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2025年5月25日、北海道の東千歳駐屯地で催された「第7師団創隊70周年 東千歳駐屯地創立71周年記念行事」で行進する第71戦車連隊第1中隊の10式戦車(松永直也撮影)。

 駐屯地の一角に設けられた装備品展示エリアには、陸上自衛隊が装備する戦車や装甲車、自走砲などがありましたが、そこにあった10式戦車と90式戦車の砲塔の上には網状のラックらしきものが新たに取り付けられていました。

 隊員の説明によると、これは「コープケージ」というものだそう。役割としては敵のドローン攻撃から戦車を守るためのものであり、最近作成したといいます。なお、あくまでも評価試験用に取り付けただけのため、この形状が正式なわけではなく、また今後陸上自衛隊が保有するすべての戦車に備えられるかは不明とのことでした。

 第7師団は、日本唯一の戦車を中心とした編成を採る部隊、いわゆる「機甲師団」で、戦車200両以上を集中運用しています。これは陸上自衛隊の部隊としては、最大の戦車数になります。また第7師団は戦車の数だけでなく装甲車の数も日本一で、これらにより完全に機械化された唯一の部隊にもなっています。

 ウクライナに侵攻したロシア軍は、対戦車ミサイルやドローンによる味方戦車の損耗を防ぐために、砲塔や車体の上面に金網を取り付けるだけでなく、その外周の大部分を追加装甲で覆うようになりました。その傾向はウクライナ軍でも同様で、しかも最近では砲塔の旋回や俯仰の機能も諦め、そのぶん徹底的に装甲を増設した、いわゆる「亀戦車」と呼ばれるものまで出ています。

 陸上自衛隊も、このような戦訓を鑑みて調査・研究を行っているようで、その一端がこのたびの東千歳駐屯地での装備品展示だったといえるようです。

【画像】これがイベント初公開の「網付き自衛隊戦車」です

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コメント

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3件のコメント

  1. まだ隙間が大きいから実戦向きではなさそうですね。でもどんどん戦訓を取り入れる姿勢は続けてほしいですね。平和が一番ですが。

  2. 10式戦車を90式戦車と誤記している箇所(画像)が少なくとも13箇所あります。

    記事配信の前の校正が不十分です。

  3. 国を守ることより

    守るに値する国になるのが先