「ペダル漕いでても“チャリ”じゃないだろ!」決め手は異様なスピード 改造自転車“無免許で逮捕”の裏側

免許を必要とする電動車を「自転車」と思って手続きを怠っていると、大きな代償を払うことになるかもしれません。取締り現場でも、より厳しい対応の変化が出てきました。

「自転車だと思ってた」で事故 初の実刑も

 男性は車両を入手した経緯について「譲り受けたもので、自転車だと思っていた」と説明しましたが、漕ぐ人力以上に、バイクや四輪車と同じスピードで並走できる性能があれば、自転車のカテゴリーを超えていることは容易にわかると判断されたようです。

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原付以上の性能があってもナンバープレート無しで走る電動車が未だに後を絶たない(中島みなみ撮影)

 運転者が適切な対応を怠ったまま運転することは、交通事故を誘発する可能性があります。また、交通事故を起こしても、保険に加入していないため、運転者の補償能力に欠けていることも問題です。走行性能が速度20km/h以下に抑えられた車両であれば、ペダル付バイクでも「特定小型原付」として無免許で運転できる場合もありますが、それでもナンバープレート(課税標識)と自賠責加入は義務です。

 東京地裁は5月21日、世田谷区内の生活道路でペダル付バイクを運転し、50代男性に障害が残るけがを負わせた大学生に対して、懲役3年の実刑判決を言い渡しました。自転車のようなつもりで飲酒運転し、男性が乗る自転車と衝突、危険運転致傷の罪に問われています。事故当時、大学生はペダル付バイクに2人乗りをしていました。無免許運転が発覚することを恐れて、同乗者の知人に身代わりを依頼。警察官に嘘の説明をしたことも断罪されました

 走行性能の高い車両でも、運転者がそれに応じた対応をしていれば、事故時の責任は最小限に留めることができます。運転免許を所持することで、運転の心構えも変わったかもしれません。警察の厳しい対応やその後の司法判決は、購入時や譲り受け時に免許の必要性がわからないとしても、運転責任を免れることはできないことを示しています。

【見た目チャリ…】これが「乗車中に停められて逮捕された」改造自転車です(写真)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

4件のコメント

  1. こういった違法モペット多すぎるので。大阪府岸和田市や貝塚市など泉州地区では毎日見ますね。明らかに中学生らしき人も乗ってるので。疑わしきは捕まえるかドライブレコーダーや防犯カメラも警察に送信して捕まえるのも良いのでは。後、販売店も厳罰化とナンバー取得してから納車させるべき。本人任せでなく。

    • お店も免許無い人には売らないことにしないと、けじめが付かない、売るやつも厳しくして聞かないとダメですね🙅‍♂️学生が普通に乗ってる時点間違っています。

  2. 正直、モペットなんて全部取り締まって、特に危険運転するような奴らは二度と乗りたくなくなるくらいに厳罰化した方がいいと思う。

    こんなんに乗ってる奴らって、やっぱり普通じゃないのよ。基本普通の奴は乗らないし。

    原付バイクで歩道を猛スピードとかはそうそう見ないけど、コイツに乗ってる奴らは平気でそういうことをするのよ。

    音もなく後ろから猛スピードで抜きさられる時の怖いこと。

    ま、他人を巻き込まずに自分だけで重大事故を起こす分には勝手にどうぞだけど中々そうはならんからね。基本巻き込まれる側が損をする。

  3. こういう白々しいウソをついて事故を起こして無保険なヤツは強制就労をさせて、給料から被害者に対しての補償金を差し引いた金額を給料として払えば良いと思う。日本は未だに法が追いついてなく「ヤラれるのが悪い」的な社会だからね!