新型ステルス機「高速道路でも使えます!」フィンランドに蘭空軍のF-35Aが初めて降り立つ

毎年恒例の高速道路を利用した演習。

緊急時に備えた離着陸訓練

 フィンランド国防省は2025年5月27日、空軍の演習「Baana25」が実施されたと発表しました。

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高速道路から離陸するオランダ空軍のF-35A(画像:フィンランド空軍)

 この演習は、高速道路を活用した空軍の分散行動作戦を想定したもので、フィンランドやスウェーデンでは、高速道路が緊急時に滑走路として使用できるよう整備されています。敵性勢力による攻撃や大規模災害などで空軍基地や空港が使用不能となった場合に備え、こうした演習が定期的に行われています。

 今回のBaana演習には、オランダ空軍のF-35A戦闘機も参加しました。オランダ空軍が同演習に参加するのは初めてです。

 フィンランドは2023年4月に中立政策を転換し、北大西洋条約機構(NATO)に加盟しました。前回の「Baana24」にはアメリカ空軍とドイツ空軍が参加しており、今回のオランダ空軍はNATO加盟国として3か国目の参加国となります。

 演習では、臨時滑走路として国道4号線の特別整備区間が使用されました。タッチアンドゴー(離着陸訓練)に加え、オランダ空軍との戦闘機統合訓練も実施されました。

 なお、こうした高速道路を利用した離着陸はこれまで、短距離での離陸性能に優れるF/A-18「ホーネット」やJAS 39「グリペン」などの機体で行われてきました。しかし今回は、オランダ空軍が参加し、F-35シリーズのうち垂直離着陸(VTOL)能力を持たない通常型のF-35Aを使用しています。

 F-35Aに関してはフィンランドも製造元であるロッキード・マーチンに発注しており、64機を納入する計画です。そのため今回の訓練は、フィンランド国内におけるF-35Aの運用体制を検証する意味合いも持っています。

※誤字を修正しました(5月27日15時53分)。

【画像】恒例の行事! 変わらぬ迫力!! これが、高速道路から飛び立つ空軍機です

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