「災害支援に行きたいけど、“タダ”じゃちょっと…」→お金出てビジネス続けられます! 国の新制度「災害対応車両登録制」とは

災害対応車両の登録制度が開始。キッチンカー、トレーラーハウス、トイレカーなど、いつもはイベント開催などで使われている車両を、災害時に被災地支援に役立てる意思表示の制度です。実際に出動した際は各種費用も支給されます。

登録は個人でも企業でも可能

 災害支援には行きたいが、すべてが手弁当のボランティアでは限界がある――。そんな無力感を打ち消し、地域に貢献しながら、ビジネスを継続できるかもしれない制度が始まります。

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能登半島地震の被災地(画像:写真AC)。

 内閣府防災担当は、2025年6月1日から「災害対応車両登録制度」をウェブサイト上で開始しました。個人や企業が所有する車両を登録しデータベース化することで、被害自治体のニーズに応じて、すばやく提供する仕組みです。

 登録対象となる車両は、キッチンカー、トレーラーハウス、トイレカー、ランドリーカーなど。被害地で家屋を失った人たちの一時避難と生活支援の場を提供できる役割のある車両です。所有者に災害支援の意思があることが前提で、車両には一定の要件が課されています。

 例えば、キッチンカーは温冷環境に配慮した食事の提供が可能か、都道府県のいずれかで営業許可を受けているかなど、ふだん飲食を営業していれば通常の要件です。

 トレーラーハウスやキャンピングカーでは、1人あたり1台のベッドが確保されていること、冷暖房、湯沸かし、冷蔵庫、照明、換気の設備がある住まい仕様になっていること。トイレカーは個室が2つ以上あり、快適トイレ仕様(水洗、臭い防止、照明、施錠など)であることなど、いずれも特別な仕様を求めているわけではありません。

 登録申請は「災害対応車両登録制度」の特設サイトから自己申告制です。内閣府が内容の基準適合性の確認を行います。大規模災害時には、地方自治体が利用できる災害対応車両検索システム「D-TRACE」から被災自治体が閲覧し、支援を要請します。

「D-TRACE」には所有者情報、所有者が支援可能な都道府県、雪用タイヤの有無、レンタル期間や費用のほか、調理などのオペレーションにかかる人員も同行できるかなど車両の特徴などが登録されます。行政側からすると、車両所有者の支援意思を通常時に知っておくことで、災害時に迅速な依頼がすばやくできるようになります。

 一方、災害救助法の適用災害が前提で、車両提供に対し被災自治体が負担した各種費用は、災害救助法に基づき国が肩代わりします。個人や法人は、所有する車両を提供した際に費用が支払われる仕組みです。例えばキッチンカーの場合、食事の提供にかかった食材費、燃料費、人件費などの費用が対象です。

 なお、登録しても、所有者が困難と判断した場合の提供義務はありません。

 2024年の能登半島地震では、こうした車両が災害対応車両として避難生活を支えたほか、被災地応援職員の宿泊場所として有効活用されてきました。大規模な災害が起きると、長期間にわたってその地域や周辺で予定したイベントが中止になるため、災害支援に転用することで、ある程度の損失を補填することも可能です。

「登録車両は国や地方自治体が管理する公共施設へ優先的に入構し、営業活動できる場合もある」と、内閣府被災者生活再建担当は説明します。

【なにカーならOKなの?】これが「登録できる車両の例」です(写真)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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