「高速トンネル燃えて大渋滞」の苦い記憶 国道2号“兵庫の西の端まで4車線化”どこまで進んだ? 相生有年道路
国土交通省 近畿地整備局は2025年6月9日、今年度1回目となる事業評価監視委員会を開催。兵庫県で事業中の国道2号「相生有年(うね)道路」について進捗を共有しました。
4車線化済み区間は見違える変化! 「相生有年道路」
国土交通省 近畿地整備局は2025年6月9日、今年度1回目となる事業評価監視委員会を開催。兵庫県で事業中の国道2号「相生有年(うね)道路」について進捗を共有しました。

相生有年道路は国道2号のうち、県西部の相生市、赤穂市の8.6kmを一部バイパス新設、一部現道拡幅にて4車線化する事業です。事業化は1985年度と古く、2022年10月までに相生市内の3.7kmが完了しています。これにより狭隘で歩道・路肩の狭い7.5m幅の現道が、歩道や中央分離帯・遮音壁を備えた高規格な道路へと変貌しました。
残る赤穂市内、山陽本線有年駅の前後4.9kmについても同様に4車線化が進められています。2025年3月末時点での事業進捗率は約73%、用地取得率は89%に達しているそうです。
この区間をめぐっては、2023年9月に並行する山陽道の尼子山トンネルで大規模な車両火災が発生。播磨JCT-赤穂IC間が3か月にわたり通行止めとなり、その間、国道2号に多くのクルマがなだれ込み、広域的な渋滞が発生しました。その記憶もあり、関係自治体からは早期の4車線化を求める声が上がっています。
この区間はもともと1日2万台以上の交通量で容量を1.3倍オーバーしているうえ、夜間は大型車が9割というトラック街道です。騒音なども環境基準を超過していることから、4車線化による抜本的な改善にも期待がかかっています。
今回の事業評価で、資材や労務費の高騰、地盤条件に応じた工法の変更などのため、事業費が当初の429億円から76億円増額の505億円へと見直されました。それでも、残事業区間における費用便益比(B/C)は4.9と高く、経済的合理性は十分にあるとされています。
兵庫県内の国道2号は、加古川バイパスや姫路バイパスなど、自動車専用の高規格バイパスが山陽道と相互に連携しながら並行していますが、県の最西部は改良が遅れています。兵庫県知事は、本事業の整備により事故・災害に強いダブルネットワークを早期に形成する必要があるとしています。
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