ボディーの一部が腐る!キノコ生える!? でも心配無用? 本物の「木」を使った車が今も世界中で走るワケ
BMWになる前の、いわゆる「クラシック・ミニ」の人気モデルに、バンタイプのカントリーマンとトラベラーがあります。外装に本物の木を一部使った強烈な見た目は、今もファンを引き付けますが、維持もそれなりに苦労があるようです。
両モデルともよく売れた!
その後、1965年にはAT仕様車が登場。商用だけでなく、ビジネスと娯楽の双方で使えることを売りにし、ヒットにつながりました。同時期、日本にもカントリーマンが輸入され、英国大使館で使われたという逸話もあります。

1967年のさらなるマイナーチェンジを経て、カントリーマンとトラベラーはさまざまなシーンで活躍しました。しかし、1969年に実質的な後継車にあたる、ミニ・クラブマン・エステートが登場したことで生産を終了。初登場からの約9年間で、カントリーマンが約10万8000台、トラベラーが約9万9000台の販売を誇りました。
木製なので腐ります!?
生産終了から55年以上が経過した今なお、カントリーマン・トラベラー双方とも根強い人気が続いているのは、生産時から世界中のユーザーに愛され、リビルトパーツが豊富に存在したことも理由の一つと言っていいでしょう。
リビルドパーツが存在することで、長きにわたって走り続けることができ、同時に「リアにウッドトリムを備えたミニのバン」という強い個性も加わって、今なお「小さな名車」として知られているのではないかと思います。
最後に余談ですが、そのウッドトリムに関するエピソードを紹介します。木製なので長年雨などを受ければ、当然腐って朽ち果てることもあります。25年以上トラベラーに乗り続ける筆者の友人は、ウッドトリムにキノコが生えたことがあったそうです。
友人は、すぐにウッドトリムを新調したそうですが、カントリーマン・トラベラーならではのトラブルといえます。見た目のかわいさだけでなく、こういった独特の手間やメンテが必要になることもまた、カントリーマン・トラベラーに強い愛着を感じる要因なのだと思います。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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