8月6日はマツダ創業者の誕生日、そして… 広島の松田一家、運命分けたあの日

「その日」を越え、引き継がれたバトン

 1945年8月6日。広島に原爆が投下されたその日が、70回目の誕生日であった重次郎氏。水野氏が運転するクルマで会社に送られたあとの発言が、元社員の藤越平五郎氏によって、こう証言されています。

「ワシがこうして毎日無事に仕事が出来るのも、兵隊さんのお陰だと思い、今日はワシの誕生日なので、いつもより早く車を来らして、護国神社英霊に感謝して、神社を出て、それから五分いや六分、七分か? ピカ、ドン! 車も吹き飛ばされるような目に遭い、どうやら無事に帰って来たところよ」(『松田重次郎翁』より)

 戦後、重次郎氏から恒次氏へ引き継がれる東洋工業のバトン。その歴史を振り返ると、1945年8月6日に重次郎氏とその家族がたどった“運命”の重さが実感できるようです。

【了】

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1件のコメント

  1. 原爆投下の批判を米国に向けるべきだろう。