えっ…「ボーイング・エアバスの主力製品そっくりな中国発大型旅客機」の姿が空の祭典にあったのですが…ホントに実現しそう?
「パリ航空ショー」で、中国の航空機メーカー、COMAC(中国商用飛機有限公司)の屋内展示ブースに、アメリカ・ボーイングの「787」、もしくはヨーロッパ・エアバスの「A350」と思わせる模型が展示されました。
中国版787、「実際飛ぶの?」
反面、中国はC909・C919と旅客機のサイズを大型化させつつ就航させて、かつ天津にはエアバスの最終組立工場があり「中国製のA350」を中国の航空会社へ納入しています。このため、欧米から得た開発技術を我が物とし、それをもとにより技術を高めているとも考えられます。
現在、中国は単通路型で150~170人乗りのC919を世界の国々へ販売しようと積極的に海外展開を進めています。このなかで、欧州航空安全機関(EASA)の認証を取ろうとしていますが、それがいつになるかは明確になっていません。認証が下りるのは2026年とも、今後3年から6年かかる可能性があるとも言われています。
中国にとっては、認証の取得は早ければ早い方がいいのはいうまでもありません。同時に、C929も早期にEASAの認証を得るために、早いうちからアピールをしておく必要があります。このため、今回、C929の模型は展示されたと考えられています。
なお、展示について、ブースにいたCOMACの社員は「最初の9は中国で『永久』を表す縁起のよい数字で、290は座席数を示します。機体デザインは中国で独自に行い、2030年の納入実現を目指しています」と話していました。
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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